第26話

未来に向かって
496
2026/03/31 11:13 更新


行かなきゃ




……いか、なきゃ…
あなた
みんなのところに、早く……

悪魔
なあ、…行く必要なんてあるのか?
耳元で悪魔が囁く。
あなた
あるに決まってる……ッ
だって…また、会いたいんだから
悪魔
…会ったところで、お前のことを覚えてるやつなんて誰一人いねえよ
悪魔
そんなやつらのところに行ってなんになるんだよ
あなた
……みんなは、俺のことを思い出してくれるよ
悪魔
何を根拠にそんなこと言ってんだよ
妄言ならやめとけ、お前が辛いだけだ
あなた
根拠って……
そんなの必要?
悪魔
不確定なまま動くなら失敗するだけだ
俺は俺の契約の強さを知ってんだよ

冷たく、突き放すように続けて言葉を放つ悪魔に負けじと俺も言い返す。
あなた
お前の契約なんかより……
俺らの、絆の方がもっと強いよ
悪魔
絆ァ……?


ハハハ、と悪魔は乾いた笑いをこぼした。
悪魔
そんなもん、あるわけねえだろ
…絆で繋がってると思ってたヤツらは、いつか裏切る。遠ざかってくぞ
あなた
裏切らないし、遠ざかりもしない
悪魔
俺だってそう思ってたさ!!!
……けど、人間なんて醜い存在なんだよ
悪魔
何人も見てきた、お前なら信用できる、お前とならずっと一緒に生きていける…そう、戯言をぺちゃくちゃ話す人間を……
悪魔
だが結果は残念だった

悪魔
人間の絆も、愛も……なにもかも無駄でしかない。信じるだけ無駄なんだよ


……俺はこの悪魔のことを少し勘違いしていたかもしれない。


ただ冷たい奴だと思ってた。
悪魔なんて非情で、裏切って、力で支配して、欲がとにかく多くて大きい。
あなた
……なら、賭けよう

この悪魔は、人を信じれないだけなんだ。



信じたいと思っているのに、そう思う度に裏切られてきたんだ。



……可哀想だとは思わない。
ただ、そんな醜悪な姿を晒してきたやつらに哀れみの感情しかわかない。
あなた
俺が、お前が無駄だと思ってる絆を証明する。…出来なかったら、俺のことをお前の好きにしていいからさ
悪魔
……ほう?
もし、証明できたらどうするつもりだ?
あなた
えー?……次に契約する人間のことも、信用してあげてね
悪魔
わかった、そこまで言うなら見てやろう
……ただし、これが最後に人間を信用する機会だってこと、忘れんなよ
あなた
……はいはい


やっぱこの悪魔さん、優しいんだな














あと2、3話くらいで完結です‼️

プリ小説オーディオドラマ