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第21話

お姫さまだっこ

結局、俊はそれ以上
何も聞いてくることはなかった。

もしかしたら、察知したのかな。

渡辺俊
渡辺俊
ごめん、遅れた。
先生
先生
遅れたぁ?軽く言うな渡辺!!
罰として、2周してこいっ
渡辺俊
渡辺俊
は、めんどくさ……

俊はため息をつくと、言われた通りに
コーンの周りを走り始めていく。

その姿に胸がじんわりと熱くなる。

きっと私を目立たなくさせるために、
俊が代わりに犠牲になってくれたんだ。

太田亜莉朱
太田亜莉朱
恵里香ちゃん遅かったね?
山本恵里香
山本恵里香
ごめんねっ
少し着替えに時間がかかっちゃった

隠された。
なんて、とても言えない。

でも亜莉朱ちゃんは理由が分かると、
すぐに明るい笑顔になって

太田亜莉朱
太田亜莉朱
バスケの練習しよっか
山本恵里香
山本恵里香
うんっ


一緒に練習に誘ってくれた。

女子
女子
行くよー!!亜莉朱パスっ
太田亜莉朱
太田亜莉朱
はいはーい。
恵里香ちゃん行っくよー

わ、次私の番だ!!

頑張ってパス受け取らなきゃ。

意識を集中させて構える。
太田亜莉朱
太田亜莉朱
ちょ、恵里香ちゃんっ!!
後ろっ!?
山本恵里香
山本恵里香
えっ??


そう口にした時にはもうすでに遅く、
足元にあるボールにつまずいて、
ドシンと床にそのまま尻もちをついた。

山本恵里香
山本恵里香
いたた……、


お尻をさすりながら、ボールの方を見る。

なんで私、ボールなんかに
つまずいちゃったんだろう……。

さっきまで、こんなとこに
ボールなんて無かったはずなのに。
渡辺俊
渡辺俊
恵里香!?大丈夫……!?
山本恵里香
山本恵里香
うん……平気だよ
少しバランス崩しちゃった


あわてて俊が駆けつけてくれた。
それもとても心配そうに。

太田亜莉朱
太田亜莉朱
ちょっと男子!!ダメじゃん!!
女子のとこに飛ばしちゃ
佐々木宏太
佐々木宏太
え、えと、ごめん……?
女子
女子
ほんっと宏ちゃんのばかっ!!
佐々木宏太
佐々木宏太
うぇっ!?俺のせいーっ!?

指で回転させていた
佐々木くんの手元から、
ボールが落っこちる。

いやいや、きっと佐々木くんのせいじゃない。
私の不注意なだけで……。

山本恵里香
山本恵里香
えっ!?ちょっ……俊!!
何、してるの……??


体がふわっと宙に浮いて、すっぽり俊の腕に。

渡辺俊
渡辺俊
僕が保健室に連れてく。
え―――っ!?

山本恵里香
山本恵里香
だ、大丈夫だよっ!?
普通に歩けるもんっ
渡辺俊
渡辺俊
ダーメ。体に負担がかかるでしょ。

お姫さまだっこなんて……。

憧れのシチュエーションで、
夢の夢だと思っていた。

……でも!!

山本恵里香
山本恵里香
は、恥ずかしい……です……
渡辺俊
渡辺俊
うわ、照れてる。可愛い。

そんなにじっくりと見ないでー…!!