もうこの人達しつこい
心配してくれてるのは分かるけどしつっこい
内心引きながら、
後ろから優しく回された腕に触れた
そんな簡単にできるものなの?
妊娠したことをタエ子さんにも
言いたいなと思っていると、
後ろから少し重い羽織を肩にかけられた
優しく肩を抱きながら、深い愛情を見せてくる
そう、この人は毎回
触れる程度でしか抱きしめてくれない
フッと笑って、
雑渡さんの方に体を向けて腕を回させた
確かに回し蹴りをしても私は避けていたし、
拳が当たったことは一度もない
少しだけため息をついて、雑渡さんの体から離れた
初めて抱っこさせてもらった1歳の坊やも、
もう4歳くらいになっている
二人でハッとなったけれど、
お昼寝している子達に起きる気配は無い
二人して大きくため息をついた
臨月ほどではないけれど、
タエ子さんのお腹は少し大きい
あまり参考にならなかった助言を頭にしまって、
家の中の台所に向かって
立ったタエ子さんの背中を眺めた
お湯を沸かして、
その薬草とやらを煎じている
出された湯のみの中に入った、
薄緑色のお湯を見ていい香りだと思った
勝右衛門はしばし考える様子を見せた
この狭い牢の中では、
感情の起伏が無理やり抑えられてしまう
ここまで激しい感情を抱いたのは久しぶりだ













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。