第11話

父の遺志
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2026/02/20 11:00 更新
    15年前、父・快彦が失踪する数時間前

 彼は私に、焦げたネックレスを渡しながらこう囁いた

 『あなた、いつかお前の周りから
   誰もいなくなる日が来るかもしれない
    でも、それはお前を一人にするためじゃない
     お前を守るために、
   みんながそれぞれの戦場へ向かった証拠なんだ』

  パパ、その言葉の意味が、今ようやくわかったよ
総理官邸の地下

冷徹な双子の総理、櫻井と零が立ちはだかる中

神代あなたと大森元貴は逃げ場を失っていた
櫻井翔
……さあ、チェックメイトだ
櫻井零
そのチップを渡しなさい
櫻井零
それで全てが終わる
二人が一歩踏み出したその時

地下通路の背後から、見覚えのある影が現れた

銃を構えた、菜々緒だ
(なまえ)
あなた
……菜々緒さん!?
(なまえ)
あなた
結局、また裏切るの……?
菜々緒
……あなた、ごめんね
菜々緒
でも言ったでしょ?これが仕事なの
菜々緒の銃口があなたに向けられた──と思われた瞬間

彼女の銃弾はあなたの横を通り抜け、

零の足元で炸裂した
櫻井零
……なっ!?
菜々緒
……仕事は仕事でも、「二重スパイ」の仕事よ
菜々緒
……ねぇ、司令?
モニター越しに、二宮和也がニヤリと笑った
二宮和也
お疲れ、菜々緒ちゃん
二宮和也
……あなたちゃん、びっくりした?彼女を裏切り者に仕立て上げたのは、君を敵の目から逸らすための、俺の作戦
二宮和也
……昨日の敵は、今日の最強の味方ってわけ
(なまえ)
あなた
……え!? じゃあ、あの時私を指名手配したのも……!?
二宮和也
そう
二宮和也
指名手配されれば、表の世界から君の存在は消える……それが、君を櫻井の手から守る唯一の方法だったんだよ
その時、轟音と共に壁が崩落した

現れたのは、中島健人と……道枝駿佑だった
道枝駿佑
『XENOX』、第3フェーズ開始します!蓮くん、今です!
目黒蓮
……了解……お待たせ、あなた
崩れた壁の向こうから、

傷だらけの目黒蓮と木村拓哉が並んで現れる

道枝が中島と共闘している姿に、あなたは目を疑った
(なまえ)
あなた
みっちー……中島さんと一緒にいるの!?
道枝駿佑
すみません!僕がチップを奪おうとしたのも、中島さんの傭兵部隊に潜入して、内部からシステムを壊すための芝居だったんです!
中島健人
……この子、意外と度胸あるんだよ
中島健人
……大森さん、作戦通り『XENOX』の最終キーを
大森元貴
……ああ……木村さん、準備は?
木村拓哉
……いつでもいける
木村拓哉
……快彦、見てろよ
木村拓哉
……お前の娘と息子が、今からこの国を掃除する
高橋文哉が、血の滲む手でキーボードを叩きつける
高橋文哉
……全システム、オーバーライド完了!……日本中の顔認証が消えるまで、あと60秒!
櫻井翔
……何をしている! 止めるんだ!
櫻井が叫ぶが、もう遅い

あなたの手の中にあるチップが青白い光を放ち始めた
(なまえ)
あなた
パパの遺志は、支配することじゃない
(なまえ)
あなた
……みんなが、自分の足で歩ける世界を作ることだったんだ!
大森元貴
……行こう、あなた
大森元貴
初恋の続きは、この霧が晴れた場所で
大森があなたの手を握り、共に起動スイッチを押した

その瞬間、官邸の全てのモニターがブラックアウトし

真っ白なノイズが日本中を駆け抜けた
二宮和也
……さて、ここからは「個」の戦いだ
二宮和也
……櫻井、君の負けだよ
二宮の勝ち誇った声が響く中

あなたは自分を守るために

「悪」を演じ続けてくれた仲間たちの顔を見渡した
(なまえ)
あなた
(みんな……ずっと、私を守るために……孤独に戦ってくれてたんだ)
しかし、安堵したのも束の間

崩れ落ちる官邸の天井

その瓦礫の中から零が狂気に満ちた目で這い出してきた
櫻井零
……壊すというなら、この国ごと、心中させてやる……!
零が隠し持っていた「真の終末プログラム」のスイッチに手をかける
目黒蓮
……させない
目黒が、弾丸のような速さで零に向かって走り出した
[ 次回予告 ]

「────くん!行かないで!」

崩壊する官邸、決死の判断

そして、───があなたに告げる、最後の『嘘』

次回、第11話『国か、愛か』──誰を、救う

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