15年前、父の部屋で見つけた古い日記
そこには、震える文字でこう書かれていた
『愛する人を守ることは、
時に国を裏切ることと同義だ
だがあなた、それでも私は、
お前が笑える未来を選びたい』
パパ、その選択がどれほど苦しいものか
今の私には痛いほどわかるよ
崩落を始めた総理官邸地下
狂気に駆られた「零」が握りしめているのは、
日本中のインフラを物理的に破壊する終末プログラム
『零式』の起爆装置だった
目黒が、傷ついた体で零の腕を掴み、
そのまま瓦礫の奥へと押し込む
文哉が声を荒らげるが、目黒は振り返らずに零と共に、
崩れ落ちる天井の向こう側へと消えていった
地上へ続く脱出路
あなたの前に、大森元貴が立ちふさがる
その手には、先ほど奪還したチップが握られていた
あなたの心臓が、大きく跳ねた
国を救えば、愛する人が死ぬ
愛する人を救うために扉を開け続ければ、
プログラムが発動し、国が滅びる
大森の声が、冷酷なまでに美しく響いた
木村が、苦渋に満ちた表情であなたを見つめる
モニター越しに、二宮和也もまた、
無言であなたの決断を待っていた
大森が、悲しい嘘を隠したような笑顔を見せる
あなたの指が、チップの上で激しく震える
轟音と共に、扉が閉まる音
あなたの手からチップが消えていた
奪い取ったのは、大森元貴だった
大森はチップをサーバーに叩き込むと、
自らロックされた扉の向こう側へ、
目黒を助けに飛び込んだ
扉が完全に閉鎖された
あなたは、冷たい鋼鉄の扉を叩き、泣き叫んだ
静まり返る地下通路に、
あなたの叫び声だけが虚しく響く
高橋文哉が、そっとあなたの肩に手を置いた
国は救われた
けれど、あなたの「愛」は、
暗闇の向こう側へ消えてしまった
[ 次回予告 ]
「……生きてるって、信じてるから」
一年の月日が流れ、世界は変わった
インフルエンサー「アメリア」が最後に見た真実
最終回、第12話『XENOX』──愛は、永遠に
作者です!昨日出すの忘れちゃったので、
今出しました!
本日最終回!20時にまた会いましょう!













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。