あの日と同じ…緑色の光
この、優しい子守唄
不思議と自然な笑みができた
私はこのララバイを聴き続ける
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暗闇、頭の中でフィルムが駆け巡る
愚かな過去
私には家族がいない
母は多額の借金に苦しめられ、自殺し
父はマフィアかなんかに喧嘩を売って殺された
───────幼少期
当然家もなければ金もない
ボロい服に固い髪、土や泥まみれの足
都会のゴミと同じように転がっていた私を
若人はもちろんゴミ同然に扱った
やはり、東京は怖い
都会の渦や競争に必死な大人は特に
ストレス発散にか、路地裏で蹴る人殴る人
慈悲にか500円,1000円札を渡す人
居ないものかのように無視する人
様々居たが、実を言うと心底どうでも良かった
生きてさえいれば、いつか運は巡ってくるはず
そう信じていたからだ
齢9歳のある日
髪を掴んで持ち上げられ、痛みで顔を歪めた
明らかに危ない人だった、
眼球は光を吸収してしまうほど黒かった
さらに髪を強く引っ張り、顔を近づかせた
______最悪な形で運は巡ってきた
ビルの中に佇む家
の、"地下室"
一見普通の家…しかし地下室は死体の生臭い
匂いがあちこち充満していた
強い匂いに顔を顰めた
ガチャ
厳重な扉を開けると、そこは綺麗な部屋だった
大きな椅子に座る人の後ろには立派な
日本の国旗が掲げられていた
……確かに、捜索願いを出す人もいないし
私が死のうがバレはしない
私は後々知る
これは政府の極秘計画の一部であったこと
広い部屋にはおよそ20人の子供
首を傾げると同時に黒髪が揺れた
そう言って、手を差し伸べてくれた
忘れもしないカナトとの出会いだ
_______思い出すたびに
胸が酷く窮屈な思いをする_____













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。