じんたんが話してくれないなら。自分で見るしかない。
俺はじんたんの後をつけることにした
じんたんが出かけるのはだいたい夜だ。
しかも深夜。みんなが寝静まった頃。
ギギギ
俺は寝たフリをする、。
でも、びっくりした、じんたんが話してくれるなんて…
へ?
理解できなかった。じんたんはおれが好き?
いやいや、だって男同志だし…。
俺は女子が好きだよ。
でも…
俺はじんたんが好き…なのか…?
いや、そんなはずは無い。
だってだって…
俺は自分が男を好きになっているはずなんて…。
嫌だ!絶対に…
そんな事を考えているうちに、俺はすっかり寝てしまっていた。
朝になってもじんたんは帰ってこなかった。
もう、2日間も帰ってきてない。おかしい
たくまは事情を知っているのか、何かに怯えるように、そわそわしていた。
ガチャ
じんたんは足もとがフラフラしていて、まるで産まれたての子鹿のようだった。
じんたんの腕をつかもうとした時、じんたんが思いっきり俺を拒んだ。
たくまが手をかす。
そう言いながらたくまに連れられてどこかへ行った。
たくまはよくて俺はダメなのかよ…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!