マスター side
一抹の不安を感じた俺はあなたが仕事場として使うマンションに移動する
普段なら住人用ゲートで入るが、来客用のゲートで入る
するとコンシェルジュが俺を呼び止める
身分証を求めてきた
一応、あなたの母ではなく姉さんに協力してもらう
コンシェルジュは電話の声を聞き、ゲートを開けてくれた
エレベーターで上がったフリをしてコンシェルジュの様子を見る
誰かと電話をしている
聞いたところ、記者のようだった
あなたの部屋に行き、何も荒らされていないことを確認する
コンシェルジュに直通で繋がる電話をかける
声の主は先ほどのコンシェルジュではないことを確認する
鍵を変えてもらうことと、来客用のゲートにいるコンシェルジュを夜の8:30にあなたの部屋に来て欲しいと伝える
しばらく部屋でおかしな点がないか確認する
そして、あなたのクローゼットに入れておいた盗聴器発見器で部屋中を探る
盗聴器は見つからなかった
まだ部屋には入っていないということだ
すると、あなたと例の男が一緒に帰ってきた
訳を話して、あなたとケイトをこのマンションから避難させる
8:30が来た
先ほどのコンシェルジュがやってきた
コンシェルジュに案内されて警察官がやってきた
男を取り押さえ、連行していく
本当に世話が焼ける元部下だ
you side
ケイトとご飯を食べているとマスターから電話が鳴る
電話を切り、安堵する
私は社長に電話をする
社長との電話を切る
冷蔵庫からシャンパンを取り出し、乾杯する
庭に出てタバコを吸う
私を追いかけたケイトも庭に出た
ケイトは私を優しくエスコートしてくれた
ケイト side
初めてあなたと会った時から僕はあなたのことが好きだ
初めて出会ったのは高校1年生の春の廊下だった
同じダサい制服なのに彼女が着るとカッコよくて、ちょっと緩く結ばれたネクタイが色っぽかった
同級生なのにそれからクラスがかぶることなかった
高校での彼女はいつも気怠げで校庭を眺めては寝ていた
昼休憩はご飯を食べることもなく、いつも豆乳を飲みながら小説を読んでいた
成績はいつもトップで大手事務所の練習生で非の打ち所がない
あなたに近づきたくて同じ事務所の練習生になった
しかし、事務所に入るとあなたとの距離は雲泥の差だった
追い付きたくて練習を頑張ったが、デビューが決まることも先輩達のMVに出れることもなく事務所をやめた
けど、デビューを目指して頑張ってるあなたを見たらもう一度頑張ろうと思ってcubeの事務所に入った
いつも裏路地で練習していたあなたはいなくなっていた
そして時が経ちまた僕の前に現れた
チャンスだと思った
部屋に入ってそっとあなたを抱きしめる
シャンパンが進む
僕はほろ酔い状態なのにあなたは酔っていない
酔っていないあなたにちょっと苛立つ
僕はシャンパンを口に含みあなたの口の中に流した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!