呪霊は五条先生が祓い
伏黒くんにはとても怒られた
野薔薇ちゃんにも怒られた
虎杖くんは気にするなと言ってくれたけど
申し訳ない気持ちでいっぱいだった
帰る途中
五条先生に呼ばれ2人っきりで話すことに
こくりとうなづいた
私は皆を守りたいぐらい強くなりたい
だけど迷惑をかける能力を持ってしまった
怖いのが嫌い
それは変わらない
情けなくて涙が出てくる
ニコッと笑う五条先生の言葉に心が暖かくなる
私は先生の手を握った
心が暖かい
先生の手を握り目をつぶり夢をみる
五条先生が正義のヒーローみたいに強くなる夢を
そういえばアニメでもこういうのってなんか名前つけるんだよね
ならこれが正夢になりますように……
そう言って目を開けて先生を見上げた
特に何も変わった様子はなかった
なんか出来そうな気がしたけど
恥ずかしくなり先生の手もそっと離そうとしたら
先生はグイッと手を繋ぎ直しすごい顔を近づけて言ってきた
興奮したように一気にまくし立ててくる五条先生は
子供のようにはしゃぎながら
私の呪術を褒めてくれた
何かが変わった
そう思うと同時に
少しの寂しさが胸をよぎる
何かを忘れてしまった気がする
大切な何かを
五条先生に呼ばれる
くったくない笑顔で早く帰ろうという先生は
本当に頼りがいがあった
胸に残った寂しさは消え
忘れてしまった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。