第27話

あの話。
1,939
2018/08/17 06:56
あなたside



なんかりゅう、どっかいっちゃったな……



どうしてだろ?




あ、お腹減ったとか?笑


お父様
あなた、こっちへ来なさい
あなた

はい、なんでしょう…ってこちらの方は?

お父様
こちらは…
七咲 奏斗
初めまして。七咲 奏斗
(しちさき かなと)と申します。
あなた

は、初めまして…

七咲 奏斗
写真よりお綺麗な方ですねニコッ
あなた

ありがとうございます。



だれだ、この人。





身長は180越えってとこか…




顔も整っててすごく綺麗で黒スーツが似合ってる





てか名前変わってんなぁ…………


























余裕があったのもここまで。




次に聞いた言葉で私は頭が真っ白になる。



































































お父様
あなた、この人がお前の婚約者だ。








.

あなた

…え、、、?

七咲 奏斗
その反応ってまさか有栖川さん
言ってなかったんですか!?
お父様
ずっと海外に居たから、
話す機会もなくてな…
あなた

…どういうことですか、、?

お父様
お前にはこの七咲グループの御曹司、
奏斗さんと結婚してもらう。
七咲 奏斗
いきなりだとびっくり
しちゃいますよね…大丈夫ですか、、?



は、、、、?









もう何が何だか全然わからんないよ









大丈夫なわけないじゃん






今日初めて会った人と結婚?




意味わかんない



















御曹司ってことは…



この人の親と会社がすごいってことだよね…。











きっとこの先の有栖川グループのビジネスにも大きく

関わってくるからお父様は

この人を、このグループを選んだんだろう。





お父様
おい、あなた。
あなた

は、はい

お父様
いきなり言ったのは申し訳なかった。
だがもうこれは決定していることなんだ






私に 拒否権 なんて最初から用意されてなかった












だよね








私は何を期待してたんだろう











この状況から助かる方法なんて










何一つ無いって分かりきってたはずなのに。
七咲 奏斗
あなたさん、
こんな僕でも大丈夫ですか…?


私、、、あなたの事なんて知らない











なんて言えない。






じゃあ逆に大丈夫じゃない って



言ったら何が変わるのよ






何も変わらないでしょう?






言ってやりたい。





きっとこの人は何も悪いことはしてない。





なのに、どこかに、

自分の中から沸いてくる怒りを飛ばしたい





こんな感情初めて。
あなた

あ、の…今は少し驚いて、、
動揺してしまっていて……えっと、その…

上手く言葉が出てこない






さっきの挨拶回りなら



社交辞令がすらすら出てくるのに







こんな時に役立たないなんて






もう 全部全部全部全部 意味が無い



七咲 奏斗
ですよね、大丈夫ですよ。これから
ゆっくり話をしていきましょうニコッ
あなた

はい

私が空返事をした所で




お父様が口を開き、またもや私と七咲さんを


驚かす一言を放った



お父様
半年以内には結婚式を開くように と
七咲さんのご両親と話し合って、
親の中で決まったんだ。
あなた

は、、ん…とし、?

七咲 奏斗
何故です、もっと時間をかけても…
お父様
親同士で決まったんだ。
七咲 奏斗
…っ、、


私たちが絶句したとき






遠くから



【有栖川社長、一言ご挨拶をお願い致します】




と、司会の呼ぶ声が聞こえた。
お父様
すまない、少し席を外すぞ。
あなた

ええ、


そう一言 言うとお父様はステージへと向かった
七咲 奏斗
今は…まだ、頭の整理がつかないかも
しれないけど、どの道俺たちは
結ばれる運命なんだ。
仲良くしていこうよ…ね?


そう優しく言われても



私の頭の中は荒れまくっていて何が何だか。







なぜ、お父様がいなくなった瞬間に



馴れ馴れしく喋ってくるの?





今日あったばっかりなんだけど。




それでも御曹司かよ



あなた

そうですね、七咲さん。

七咲 奏斗
奏斗でいいよ?
馴れ馴れしくしてこないで




そう思いながら作り笑顔で乗り切る。
あなた

奏斗、、さん…笑

七咲 奏斗
まだ慣れないか笑
よろしくね、あなた。
そう言って微笑む奏斗さん。




私には何故いきなり呼び捨てで



呼ばれるのか意味が分からない。




そんなに仲良くもないのに。









でも未来の旦那さん。





そんなレッテルが頭の中を一瞬駆け巡る






ダメだ、今は何も考えないでおこう。




これ以上考えてしまうと







自分が自分じゃなくなってしまう。













七咲 奏斗
このあと予定は??
あなた

少しお酒で気分悪くなっちゃって…



さっきから付き合いで20歳になったからと


言って、少しお酒を飲まされている






でも相手が話に夢中になっているあいだに


りゅうがジュースに替えてくれてた。





だから実際そんなに飲んではない。





気分悪くなんてないんだけど、



少しでも早く1人になりたくて、



この人から離れたくて



普段はつかない嘘をついた。



七咲 奏斗
そっかぁ…付き合いって大変だよね…。
帰れそう?
わかったような口聞かないで。


私は今でも あなたとの“付き合い” を演じてるの。
あなた

執事が迎えに来てくれるから
大丈夫ですよ!

七咲 奏斗
そっか、お父様には僕から伝えとくよ。
出口まで送ろうか?
優しい人、でも今は鬱陶しい。
あなた

いえいえ、すぐそこなので!
ありがとうございますニコッ

七咲 奏斗
気をつけて帰ってね!
じゃあまた…




そう言って手をひらひらと振ってくる








それに反応して、私も微笑みながら手を振り返した











やっと終わった






後でお父様に何か言われそうだけど



もう先に帰ろ。








疲れた




































































20歳の記念すべき日は




私の人生の中で最も最悪な日になりました



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