第24話

24Channel コウの告白
5,150
2021/08/21 11:00 更新
あなた
そうだふたりとも、
手をつなぎながら移動しよう?
昇降口へ移動しながら、
私はふたりの手を握った。
あなた
いつ死のビジョンが
見えてもいいように
逢沢 優希
逢沢 優希
それはいい考えだ。
にしても、あなたの力はすごいな
あなた
すごくなんてないよ、
人が死ぬ瞬間なんて、
気持ちのいいものじゃないし……
逢沢 優希
逢沢 優希
そっか……あなたの
気持ちを考えずに、ごめんね
逢沢 優希
逢沢 優希
でも、それは誰かを
助けられる力だから、
あなたに与えられたのにも
なにか理由があるんじゃないかな
あなた
これは……私を恨んだ亜子が、
私の死を忘れるなって、
そういう意味で与えた力なんじゃ
ないかって思うんだ
逢沢 光希
逢沢 光希
そういう考え方も
できるけどよ、
お前が親友だと
思えたやつなんだろ?
あなた
うん……
逢沢 光希
逢沢 光希
だったら、恨みでお前を
苦しめるようなこと、
すると思うか?
あなた
しないって信じたいよ。
でも、死の病がクラスに自殺者が
出たことで起こったなら、
疑わずにはいられない
あなた
(ごめんね、亜子……)
彼女の仕業じゃないと
信じきれない自分も嫌だった。

***

ようやく昇降口にたどり着くと、
私たちは ロッカーから武器になりそうな
掃除道具を取り出すことにした。
逢沢 優希
逢沢 優希
はいこれ、光はこのホウキを
逢沢 光希
逢沢 光希
おう
優くんが使えそうな掃除道具を
光くんに渡そうとしたとき──。
クラスメイトたち
「「「「「アアアアアアアッ!」」」」
逢沢 光希
逢沢 光希
あなた!
私は光くんに腕を引かれて、走る。
あなた
待って、優くんが……!
真逆の方向に逃げてしまったせいで、
優くんと分断されてしまった。
逢沢 光希
逢沢 光希
優なら機転が利く。
うまく逃げ切れるから心配ねえ
あなた
(そうだよね、
優くんならきっと大丈夫だよね)
自分に言い聞かせながら、
ふたりで逃げ込んだのは図書室だった。
あなた
はあっ、はっ……
逢沢 光希
逢沢 光希
鍵は閉めた。念のため、
本棚の奥に隠れるぞ
あなた
うん
私たちはいちばん奥の本棚の裏に
しゃがみ込み、隠れる。


そこで、私たちがまだ手を繋いだ
ままなことに気がついた。
あなた
(そういえば、子供の頃は
よくこうやって手を繋いだな)
こんなときなのに
幸せな思い出が頭をよぎって、
私はくすりと笑ってしまう。
逢沢 光希
逢沢 光希
なに笑ってんだよ
あなた
子供の頃、私が近所の子に
イジメられて泣いてたとき、
迷子になったとき、
必ず光くんが手を引いて
くれたのを思い出して……
あなた
あの頃から私、
守られてばっかりだね
そう言って笑うと、
光くんはじっと私を見つめて……。
逢沢 光希
逢沢 光希
善意じゃねえ、俺のためだ。
ずっと、お前のことが
好きだったから
あなた
え……
逢沢 光希
逢沢 光希
明日生きているか
わからないからこそ、
今伝えたかった
逢沢 光希
逢沢 光希
俺は……あなたが
ずっと好きだった
逢沢 光希
逢沢 光希
お前を守る役目は誰にも
譲りたくないと思ってる。
……優にもな
あなた
(そんなふうに、
私のことを思って
くれてたんだ)
あなた
(ずっと幼馴染として
接してきたのに、
なんでかな……)
あなた
(すごく、ドキドキする)
嬉しくて、
なぜだか泣きそうになった。
あなた
(でも……)
あなた
もし死んじゃったら、
誰かを大切に思う気持ちも
消えちゃうんだよね……
あなた
(光くんからもらった想いも)
そう思ったら前より死ぬことが怖くなって、
震えていると……。
逢沢 光希
逢沢 光希
消えねえよ
光くんが、
きつく私を腕の中に閉じ込める。
逢沢 光希
逢沢 光希
絶対生き抜いて、
お前にもう一度告白するし、俺
逢沢 光希
逢沢 光希
でなきゃ、死んでも
死にきれねえ
逢沢 光希
逢沢 光希
お前からも返事、
聞きてえしな。それまでは
なにがなんでも生きてやる

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