イタリアが驚きで棒立ちしている。
袋を持っているので、俺が先にイギリスの
ところに迎えば、顔が真っ赤になっていた
イタリアの "霊" という言葉に
身構える。
この中で能力を使えるのは俺しかいないので
周囲を警戒していると
リビングの扉が勢いよく空いた 。
そこから真顔のドイツが出てきて、
奥には酔い潰れたフランスがいた。
口角はあげているがイタリアが怒った様子で
ドイツをリビングに戻した。
前にも何度かこんなことがあったのか
イタリアがフランスを叩き起す声が聞こえる。
ドイツも変化が無さそうに見えるが、明らかに
酔っていて、文脈に無いことを話している。
いっつも紳士的なイギリスが
機嫌を損ね、酒に酔うとこうなるのか、と
驚きと珍しさで指示に従えば、
書斎らしき部屋についた。
確かに、イギリスさんがフランスさんに引っ張り
出されたような跡が残っている。
イギリスさんのスーツが床に、
そして椅子が横転。
扉が半開きだった。
薄暗いフランスに荒らされた部屋をかき分ける
イギリスが飲んでいたであろうティーカップが
置かれた机の上には
日誌が開きっぱなしになっていた。
乾いたインクが紙の上に黒い筋を残していて、
最後の行は途中で途切れている。
_____ ……すべては、神の
その先は書かれないまま、筆跡だけが沈黙していた。
万年筆の傍らには、細い灰が散っている。
煙草か、あるいは線香のような香り。
そのにおいがまだ空気の奥に残っていて、
古い革張りの椅子や、
磨かれすぎた机の木目にまで染みついていた。
顔を上げると、本棚が壁を埋め尽くしている。
『君主論』の背が裂け、
ダンテの『神曲』には金の装飾が剥がれかけている。
その隙間に、なぜか和綴じの薄い本が一冊だけ差し込まれていた。
紙は真新しく、指でなぞればざらついた繊維が
指先に触れる。
棚の上段には、少しの明かりで輝くガラスの地球儀。
光を受けるたび、
ヨーロッパに走ったヒビが淡く反射し、
アジアのあたりは曇っている。
ガラスの中に閉じ込められた過去のよう
窓際のカーテンは、
誰も動かさないままの皺を保っている。
風が入るたびに、その裾がわずかに震えて、
埃が光の中を漂う。
止まった時計が、
時間を拒むように壁に掛けられていた。
机の隅にある聖母像の顔には、薄い影が落ちている。
赦しを与える仕草のまま、目は輝きヴェールに
ホコリが積もった。
異様な空気感に唾を飲めば、イギリスに
紅茶を届ける。正確には違和感、不気味さから
逃げるように下に降りた。
下に降りれば、イギリスさんが階段に
登ろうとしたのか酔った様子は変わらず
ぺしょっと段差に座っていた。
駆け寄っては、紅茶を渡す。
強引にイギリスはそれを受け取れば
少しは落ち着いた様子だ 、
少しは
少しはね
すべては神の裁きに委ねる。
だが、神が沈黙するなら、それもまた我らの罪だ。
…
イギリスが頭を抱えれば、酒で情緒がおかしい
イギリスさんが倒れている。パッと見日本が
何かしかけたようにしか見えない。
イギリスのイメージ的に自らこうなるとは
考えずらいと思うので弁明しようと
日本は口を開ける
日本がイギリスを介抱すれば
イギリスのネクタイを外す
ネクタイを頭の上に巻いてはイギリスは
困惑している。
日本が自分のネクタイを外せば
イギリスに噛ませ、話せなくする。
どん、っという音と共にフランスが堂々登場
それを見たイギリスが、口を縛られたまま
堂々退場。いつの間にかイギリスのネクタイは
ぴっしりつけられていた 。
フランスはシャツのボタンを二つ開け、
片手にワインボトル、片手でルネサンス絵画(幻覚)
を指さしながら
気づいたらフランスはイタリアを羽交い締めに
しまた叫ぶ
ドイツが珍しくそっぽを向く
羽交い締めにされながらも
答えてはワインを囮にリビングに詰め込む
嫌がるドイツを面倒見係に任命
すれば、リビングを完全封鎖して
そこには慌てて作った少し形が歪なピザが目の前に
出された
イタリアがにっこりを微笑めば、各部屋で
この日を終える。
久しぶりによく寝られそうだ
_____ 悪寒













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。