第11話

お菓子
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2025/10/31 09:00 更新
朝、目が覚めた。見慣れた天井、変わらない光。カーテンの隙間から差す日差しが、まるで何事もなかったかのように部屋を照らしていた。スマホの通知が鳴る。グループのチャットには
「今日、晴れだって!」
「カメラ忘れんなよ!」
と、いつもの声。今日は外で撮影。場所は、新しくできた遊園地。みんなで鬼ごっこを撮る大型企画だ。ワクワクしながらベッドを飛び降り、服を着替える。 昨日のうちに準備したカバンを背負って、冷蔵庫から菓子パンを一つ取り出す。玄関で、靴を履く。メンバーカラーのピンクのスニーカー。お気に入りのやつ。ドアノブを回す。外の空気はひんやりしていて、まるで新しい始まりを告げるみたいだった。
モトキ
(行こう。今日は、きっと楽しい一日になる)
遊園地のゲートをくぐる。カメラを構えたマサイが振り向いて「モトキ、こっちー!」と笑う。他のみんなも、手を振っていた。胸の奥が、少しざわつく。既視感。けれど、もう何も言わない。俺は、笑いながらみんなの輪に入った。
モトキ
...?
気づけば、周囲がざわめき始める。照明が淡く落ち、空の色がゆらめく。遠くで鐘が鳴った。ハロウィンの装飾。オレンジと紫の光。見覚えのあるアーチ。そして気づいたら、俺の格好はキョンシーになっていた。手首に鈴が揺れ、帽子の札が風にたなびく。
モトキ
.........
モトキ
(あぁ、そうか)
静かに息を吐く。心は不思議と穏やかだった。






































モトキ
ここで、また現実の俺を待つだけか
視線を上げると、ゲートの向こうで、誰かがこちらを見ていた。輪郭が、少しぼやけている。でもその顔を、俺は知っていた。
モトキ
......
もう一人の、俺。あの時のように迷い込み、この遊園地に翻弄される。風が吹いた。どこかで、鐘の音がもう一度響いた。画面がフェードアウトするように、世界がゆっくりと薄れていく。
モトキ
本当の俺は、こっちハロウィン側か
Halloween・Mirage 完





























モトキ
Trick or Treat!!
モトキ
お茶会に出すお菓子をくださいな

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