定期演奏会が終わってからは、先輩たちと
私たち1年との交流は明らかに減った。
何故か分かりますか?
それは…
「コンクール」が始まるから、です…。
音楽室からは、4人以外にもたくさんの
音が聞こえる。
この曲はきっとコンクールの課題曲だ。
吹奏楽部のコンクールは、指定された曲を演奏する、
「課題曲」と自由に曲を決めて演奏する「自由曲」
というふたつの種類がある。
ちょっとだけボソッとつぶやいた。
…あれ、周囲の目線が痛い。結構大きい声だったかな
コンクール時期になると1年生は
まあ、言ってしまえば、暇になる。
それを見据えた先生が楽譜を配って
くれているのだけど…
少し知り合いがいてよかった…
取り敢えず、私達は意外と何とかなりそうです!
―一方、音楽室―
(テス目線)
…はぁぁぁあ
本当にやばい…
先生が指揮棒を譜面台に叩きながら、
メトロノームのようにリズムをとっている。
先生が譜面台を2回叩く。
これはちょっと嫌な合図だ。
…コンクール時期の先生はより一層厳しくなる。
何せ、理由は沢山あるけども、
今年だけで退部した人が4人もいるんだ。
(↑これは現実でもガチです)
結構メンタルくるもんなぁ、これ
…コンクールまで、あと1ヶ月。
僕たちのこの中学校は、コンクールで3年連続で
地区大会金賞をとっている。県大会もいってる。
それに、全国大会にもいった市内有数の学校だ。
…プレッシャーに押しつぶされそうで仕方がない。
先生が指揮棒を振り上げた。
声は聞こえない。
ただ、全員が無言で楽器を片付けている。
それだけ、先生の言葉が刺さったんだ。
僕だってそうだ。
これは、僕たち2.3年生の闘いだ。
1年生に見せられる背中になるために、
僕たちは頑張らないといけない。
僕たちが4人で演奏ができるのも、最初で最後。
最高の結果を出すんだ。
#3:コンクール編
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。