第190話

選んだ科目
118
2024/03/27 15:00
今日はダイアゴン横丁へと行く日だ。3年生で使う教科書のリストを持ち、いつものように家の暖炉から煙突飛行をする。ハリーは前に失敗したことがあるみたいで緊張していたが、全員無事に漏れ鍋に到着した。
お父様
2人共、はぐれないようにな
あなた
はい
そんなに心配しなくても、とも思うが、ブラックのことがあるから、ハリーだけは1人にしない方が良いだろう。
あなた
ハリー、手でも繋いどく?
ハリー
うぇ!?
あなた
だって、ハリーを1人にはできないもん
ハリー
だ、大丈夫だよ
あなた
そう?
なら、良いけど
よく考えてみたら、私達ももう13歳だ。軽々しく手を繋がない方が良いのかもしれないな、なんて思いながら、薬問屋で魔法薬学の材料を揃える。ここは品揃えは良いのだが、その分色んな匂いが混ざっていて、私はちょっと苦手だ。
お母様
次はマダム・マルキンの洋装店に行きましょうか
身長が伸びたから、制服を変えないとね
あなた
確かにそうですね
ハリー、いつの間にそんなに大きくなったの?
身長差はあまり無かったはずなのに、今では少し見上げないと目が合わない。
お父様
まぁ、成長期だからな
いっぱい食べて大きくなるんだよ
ハリー
はい!
洋装店に入れば、マダム・マルキンが明るく出迎えてくれて、特にハリーは熱烈に歓迎されていた。そういえば、ハリーと初めて会ったのもここだったな、なんて思い返している内に採寸は終わり、私達はフローリッシュ・アンド・ブロッツ書店へと向かう。
ハリー
あなたは何の科目を選んだの?
あなた
私は魔法生物学、占い学と古代ルーン文字学にした
ハリー
3つも取ったんだね
あなた
うん、ちょっと大変かもしれないけどね
それで、ハリーは?
ハリー
僕は魔法生物学と占い学
あなた
どっちも被ってる!
良かった、一緒に受けれるね
ハリー
そうだね!
ロンとハーマイオニーもこの2つは取るって言ってたよ
あなた
本当?
楽しみ!
そんな話をしている内に書店に着いたので中に入ると、店主が慌てた様子で近寄ってきた。
店主
あぁ、いらっしゃいませ!
ホグワーツの教科書を...?
お母様
はい
えっと、必要なのは...
店主
少々お待ちを...
店主は何故か分厚い手袋をはめると、書店に似合わない檻の方へと向かっていった。そして、その中にある本に手を伸ばすと、いきなり本が店主に噛み付いた。
あなた
え...
店主は悪戦苦闘しながらも、なんとか本を紐でぐるぐる巻きにした。
店主
ふぅ...あと1冊だな
ハリー
あ、待ってください
その本なら、僕はもう持ってます
店主
それは本当かい?
あぁ、良かった...
もう檻に手を突っ込まなくて良いことに安心した店主は、私に本を渡してくれた。
あなた
あ、ありがとうございます
店主
いやいや、どういたしまして
他には何が必要かな?
残りの教科書は何の変哲もないただの本のようで、店主が噛み付かれることもなく、全て買い揃えることができたのだった。

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