第11話

#4 カルマの時間③
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2026/04/28 22:06 更新
あなたside





放課後______。







♪~… ♪~…


あなた「……………。」







ヘッドホンを耳に、駅のホームに向かっていると。







杉野「じゃーな渚!」

潮田「うん。また明日。」







丁度杉野と別れた渚の姿。

一緒に帰った事が無いから忘れてたけど、確か同じ電車通学って前言ってたっけ。

そしてその背に声をかけようとしたその時。







「…………おい。見ろよ渚だぜ。何かすっかりE組に馴染んでんだけど。」

「だっせぇ。ありゃもう俺等のクラスに戻って来れねーな。」

潮田「……………。」

あなた「………………。」







校舎は違えど同じ学校。

最寄りの駅に本校舎の人がいるのは別に不思議な事じゃ無い。

けど、私達としては会いたく無いわけで………。

学校同様、外でもE組を見るなり彼等は明らかに私達を見下し、馬鹿にする様な言葉を平気で吐く。

自分達の方が上の人間なのだと………それが当然だとわからせる様に。

気分が悪い。







グイ


あなた「行こ………。」

潮田「えっ宮城さん!?」







私は渚の腕を掴み、早足にその場を立ち去ろうとする。







「うわ、逃げやがったぜ。」

「そう言や、停学明けの赤羽までE組復帰らしいぞ。」

「うっわ最悪。マジ死んでもE組(あそこ)落ちたくねーわ。」







じゃあ来なければ良い。

今まで同様、良い子ちゃん見たく勉強だけしてれば良い。

こっちだって願い下げだ。本校舎の生徒(あんたら)見たいな人達と授業受けるのなんか。

心の中で悪態をつきながら、更に歩みを進めようとしたその時。







ガシャン!


赤羽「へー死んでも嫌なんだ。じゃあ今死ぬ?」

あなた「!?」







物が割れる音。

その音に振り向けばそこには、先に帰ったはずの彼………赤羽君が割った瓶を彼等に向けていた。







「あっ赤羽!!」

「うわぁっ!!」


ダッ







赤羽君を見るなり、彼等は逃げる様に走って行った。







赤羽「あはは。殺(や)るわけ無いじゃん。ずっといい玩具があるのに、また停学とかなる暇無いし。」

潮田「…………カルマ君。」

あなた「……………。」

赤羽「でさぁ渚君。聞きたい事があるんだけど。」







そして私達は話しながら改札を潜った。







ピピッ


赤羽「殺せんせーの事ちょっと詳しいって?」

潮田「………う、うん。まぁちょっと。」

赤羽「あの先生さぁ、タコとか言ったら怒るかな?」

潮田「タコ?うーん、寧ろ逆かな。自画像タコだし、ゲームの自機もタコらしいし、この前なんか校庭に穴掘って……。」










『タコつぼ』










潮田「…………って言う一発ギャグやってたし。先生にとってもちょっとしたトレードマークらしいよ、タコは。」

赤羽「………ふーん。そうだ。くだらねー事考えた。」







何を考えたのか、ニヤリと口角を上げる赤羽君。







潮田「カルマ君、次は何企んでんの?」

赤羽「…………俺さ、嬉しいんだ。あいつがただのモンスターならどうしようかと思ってたけど、案外ちゃんとした先生で。」


パァァン

ゴォォ


赤羽「ちゃんとした先生を殺せるなんてさ。前の先生は自分で勝手に死んじゃったから。」

潮田「……………?」

あなた「……………っ…。」







走り去る電車。

そして、赤羽君の言葉と表現。

彼の言葉の意味は少し分からなかったけど、彼の表情に私は…………少しゾッとしてしまった。

でもその反面、疑問もあった。

何処か「先生」と言うものに執着がある様な………そんな違和感を彼から感じた。















・
・
・















翌日_______。






昨日の事が少し気になりつつも、普段通り登校し教室へ向かう。

扉を開けると、何故か静かな教室。

そして入って早々目に止まったのは…………教卓の上に置かれたピックが刺さった本物のタコ。

誰が置いたのか、一目瞭然だった。

教室の後ろの自分の席に座り、笑みを浮かべる彼………赤羽君。

皆が分かっていた。けど、誰も何も言わず…………私達はただ先生が来るHRの時間まで待った。







ガラガラガラ


殺せんせー「おはようございます。」

「「「「「……………。」」」」」







普段なら返すはずの挨拶。

それに誰も返さない。先生と目すら合わせない。

ただ…………変な緊張感だけが教室に流れていた。







殺せんせー「………ん?どうしましたか皆さ____。」

赤羽「あ、ごっめーん!殺せんせーと間違えて殺しちゃったぁ。捨てとくから持って来てよ。」

殺せんせー「…………分かりました。」







明らかに誘ってるのが分かる。多分、先生だって分かってる。

赤羽君の後ろ手にはナイフ。

先生はタコを持って歩いてくる。







赤羽(………来いよ殺せんせー。身体を殺すのは今じゃなくても別に良い。まずはじわじわ心から殺してやる。)







しかしその時、先生の足が止まり……。







ギュイィィィ


赤羽「!?」







先生の触手がドリルの形に変わり、高速に回転する。

そして次の瞬間、先生は何処かへ行ったかと思えば……。







殺せんせー「見せて上げましょうカルマ君。このドリル触手の威力と、自衛隊から奪っておいたミサイルの火力を。」







その手にミサイルと、何かの材料を持って戻って来た。







殺せんせー「先生は、暗殺者を決して無事では帰さない。」

赤羽「!!ブヘッ!?」







そして次の瞬間、赤羽君の口に放り込まれた何か。

ミサイルと材料を使い先生は………。







あなた「たこ焼き………。」

殺せんせー「その顔色では朝食を食べていないでしょう。マッハでたこ焼きを作りました。これを食べれば健康優良児に近付けますね。はいあーん。」

赤羽「……………。」

殺せんせー「カルマ君。先生はね手入れをするのです。錆びてしまった暗殺者の刃を。今日1日、本気で殺しにくるが良い。その度に先生は君を手入れする。」

赤羽「…………!」

殺せんせー「放課後までに、君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう。」







そして、今日1日がスタートした。






1時間目 数学_____。





殺せんせー「………とこの様に、どうしてもこの数字が余ってしまう。そんな割り切れないお悩みを持つ貴方!でも大丈夫。ピッタリの方法を用意しました。黒板に書くので皆で一緒に解いてみましょう。」







授業をする先生の背に銃を向ける赤羽君。しかし………。







ビュン


殺せんせー「あぁカルマ君。銃を抜いて撃つまでが遅過ぎます。」

赤羽「っ!?」

殺せんせー「ヒマだったので、ネイルアートを入れときました。」

赤羽「…………!」







先生の手にはさっきまで赤羽君が持っていた銃。

そして赤羽君の方は爪に、可愛いタコとたこ焼きのネイルが施されていた。







4時間目 家庭科_____。





殺せんせー「どうです?不破さんの班は出来ましたか?」

不破「………うーん。どうだろ。何か味がトゲトゲしてんだよね。」

殺せんせー「どれどれ。」

赤羽「へぇ。じゃあ作り直したら?一回捨てて。」


ドンッ







そう言い、赤羽君は先生に向けて鍋をひっくり返す。

そしてそのタイミングでナイフを振る…………が。







殺せんせー「エプロンを忘れてますよカルマ君。」

赤羽「…………!」







一瞬の間に、可愛いエプロン姿に。







殺せんせー「スープならご心配無く。全部空中でスポイトで吸っておきました。ついでに砂糖も加えてね。」

不破「あ!マイルドになってる!」

あなた「……………。」



潮田(…………無理だ。)







5時間目 国語______。





潮田(殺せんせーは結構、弱点が多い。ちょいちょいドジを踏むし、慌てた時は反応速度も人並みに落ちる。けど………どんなにカルマ君が不意打ちに長けていても。)



フニョン

ピタ


殺せんせー「_______赤蛙はまたも失敗して戻って来た。私はそろそろ退屈し始めていた。」

あなた「……………。」



潮田(ガチで警戒してる先生の前では………。この暗殺は無理ゲーだ。)







6時間目にはもう赤羽君は、ナイフを抜く事も銃を構える事も出来なくなっていた。
























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