P.M. 3:10
ないこside
俺は今、絶賛待機中だ
なぜなら
まろが、一向に来ない!!
かれこれ30分は待ってるよ?
うん、10分ならわかるよ?
30分は長すぎじゃない?
え、ほんとに遅i
猛ダッシュでこっちへ駆け寄ってきたまろ
走りすぎて疲れたのか、息切れが凄かった
正直まろがこうなるのは無理もないと思っている
なぜなら……
あにきからの報告内容が、驚きの隠せないものだったからだ
タッタッタッタッタッ……
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
帰宅
家に着くと、玄関でりうしょーが迎えてくれた
まろが問うと、2人は不思議そうな顔をして答えた
りうしょーを見送り、リビングへ向かった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
リビング
まろが本題に移すと、あにきは少し暗い顔をした
諸々説明中…
まさか元々患っていたものが再発するなんて…
俺は恐る恐るあなたに聞いてみた
あなたは顔を窓の方へと向けた
あにきは一息置いてから言葉を放つ
確かに、あにきの言う通りだ
無理して生きることを押し付けたら、また同じことの繰り返しになるのかもしれない
それを避けるには、あなた本人の意思を尊重するしかない
だったら、俺達がやれることはただ1つ
まろは悔しそうな顔をした
本当は生きていて欲しいんだろう
俺だってそれを望んでいる
あにきも、子供組もそうだ
だけどそれを本人が望んでいなければ意味が無い
それを1番知っているのは…
長い沈黙の末、返ってきた応えは…
了承の返事だった
あなたは本当に申し訳なさそうにして、心からの謝罪を述べる
あなたは寂しそうに笑った
それはそぉだろう
診断結果がこれだったのだ
無理もない
俺はあなたの目を見て言った
あなたが目を見開く
相当びっくりしたのだろう
でも、すぐに微笑んで
と、感謝の意を述べた
重たい空気が漂う中
この沈黙を破いたのは……
子供組だった
初兎がスマホの画面を俺たちの方に向けて、何やら動画を見せてきた
と、子供組はスマホを差し出した
そこには……
────────♪
────── ────────!
────────────────♪
チラッ
あなたの目、ちょっと…泳いでる……?
なんか、明らかに態度がおかしかった…
また何か、隠してる……?
YouTubeのアカウント名は「ar」となっていた
楽しそうにマリカを始めた子供組を他所において、俺達大人組はのんびり過ごすことにした
そんなこんなで騒がしく時は過ぎるのだった
だがこの時は知らなかった
まさか、あのDMに返信が来るだなんて…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。