一度お祓いをした幽霊がまた人間に取り憑くと、大変なことになる。浄化される瞬間って、とても快適らしい。浄化されるその快適さを知ってから中断されると、また快感を味わいたい、と、取り憑いた人ごと、自殺してしまう。
とりあえず、7匹(幽霊の数え方って、匹?人?)中、5匹は捕まえた。まだ誰にも取り憑いてなくて、一安心。
傍から見たら、すごい変なこと言ってる人だけど、そんなこと気にしてられない。
今日1日、街中を歩き回ったけど、幽霊のゆの字もない。
もしかしたら、隣の市かも、と考えて、そこも探したけど、まったく見当たらない。
考えたくはないけど、そう考えるしかない。
もしかしたらいまにも、自分の望んでない自殺を強いられてるかもしれない人に苦しい言い訳をして、家への歩を進めた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。