あーーだるい。別に具合が悪いわけじゃない。
ただ大学までの足取りが重いだけ。
今日休もうかなとも思ったけどまだ私は今1年生だ。
今のうちに授業数いっぱい取っておかないと。
引きずってても良いことなんてない。あいつと当分会わなければいいだけだ。
って思ってた矢先
朝っぱらからウォヌに会ってしまった。
大丈夫だあなた。
会ってしまったとしても口を聞かなければいいんだ。
私はウォヌの横を素通りして授業の準備をした。
よしよし、この調子だ。このまま1日を乗り越えればいいだけだ。
すると腕を何者かに掴まれる
ウォヌの力は強い。腕を離そうとしても離せない。
はぁ……だめだ。これはもう口に出して言うしかない。
動揺して緩む力のすきに掴まれた腕を離して走って逃げた。
ふっ……あいつもちょろいもんだぜ笑
そのまま授業に向かう。
授業はウォヌと会うこともなく平和で終わろうとしてた所、第2難関が私を追い詰める。
なんとか助かったけど今日もまたゴミ拾いかな……
ゴミ拾い結構キツイんだよね笑
だけどサークルの集合時間になってもウォヌは来ない。
ソナさん、ちゃんと伝えたんだよね?
来なければ来ないで私には好都合だけどね……。
ウォヌだけ集まらずウォヌ以外ソファに皆座る
走ってきたのか息を切らしながら私の隣に座ってくる
私は近づいてくる度少しずつ離れようとしていると
肩を抱き寄せ私の肩に頭を乗せる。
隣を向けば寝息を立てながら寝てるウォヌがアップで視界に入るし肩は抱き寄せられたままだし身動きが取れないと一緒になぜか心臓が速くなる。
今日も2人のバカップルぶりは健全です笑
終わって解散なのにまだ私の肩で寝ているウォヌ。
するとすぐにシウさんとソナさんが出ていった。
そう伝えて肩に乗っているウォヌの頭をソファの後ろの背もたれのところに乗せて出て行こうとした。
そう言って部屋を出ていき、駅に向かう
駅に着いた瞬間電車が出発したので5分後の電車を待つことにした。
今日乗り過ごしたいつも乗っている電車は席が空いていてその次の電車はほぼ満員電車。
満員電車か……しょうがないか。
案の定中は人がいっぱい。次の電車は結構時間が空くのでしょうがなく乗ることにした。
人がいっぱいの中電車に揺られること15分
駅から家までは30分ぐらいだ。
すると
急に誰かからお尻を触られる。
き、気のせいだよね……
そう思っていると、
また触られる感覚に鳥肌が立つ。
これはまさしく痴漢だ。
後ろを見てみると触っているのはおじさんでもなければ若くもない男の人。
あと2駅⋯
2駅だけじっと耐えるんだ………。
大声出せばなんとなるって言うけど恐怖で声が出ない。
それに脚もがくがく震えながら脚がもつれそうになる。
あと、1駅。次だ………
すると、
触られた手が離れ急に後ろから抱き締められる。
あ、終わった。私今日痴漢の人にお持ち帰りされて人生終わるパターンだ。
でも待て。この匂いどこかで嗅いだことある匂い……すごく落ちつく。
やばいとうとうおかしくなってきたな私。
耳元で聞こえたのはどこか聞き覚えのある声。
ウォヌの声だとは後ろを振り向かなくても分かった。
その瞬間駅に到着し、痴漢してきた男の人も急いで降りていった。
ウォヌに手を繋がれ無言で駅を出ていく。
名前を呼ぶと、足を止め私を抱きしめた。
ウォヌの口から出たのは優しい言葉ばかりでさっきまでの恐怖がすーっと抜けていくと同時に涙が出てくる。
そう言うと頭をぽんぽんしてくれる。
何だろう、昨日のあのウォヌとは全然違う。
なんだろう。この変な感情……
前にも味わった事のあるこの気持ち。
あ、スニョンの時だ。
私、ウォヌにスニョンと同じ感情になってるんだ。
これってさ、
好きってことで合ってるんだよね……??
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!