いふ 視点
今日だけは頑なに自分を貫くのだ、と少し感心する一方で。
やはり、驚きは隠せなかった。
飄々とする自分が気に入らなかったのか、今にも泣きそうになってこっちを見る…、否、睨んでくる。
ほとけに似たのか。
はたまた、幼い頃の自分はこうだったのか。
良く、分からない。
しゃくりあげるような笑い声。
追い詰めてくるような、責めてくるような話し方。
恨み。妬み。
そんな言葉が似合うなにかを感じる。
静かな怒りとともに放たれたそのひと言。
心臓がどくん、と大きく動く。
時が止まったようだった。
なにか話さなきゃいけない。
でも、下手なことを話せば終わる。
それも、安易に分かった。
吐き捨てるようにそう言ってどこかへと消えてしまう。
それに対して頷くことしかできない。
何、着飾るだけの仲間意識って。
仲間なんて、とか言ってたあいつから放たれたものとは思えない。
ないこにも曖昧な返事だけをする。
おれは、どんな大切なことを忘れたんだろう。
ほとけの言ってたこともちびまろが言ったこともどこかひっかかるのに違いは無い。
ただ、引っかかるのに思い出せない自分が悔しい。
ちびまろとは対照的に穏やかに笑う2人。
同じことを知っているとは思えない。
邪魔、?
言った記憶は無い。
成程。
ちょっと、分かったかも。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!