第284話

二百七十二 春風
2,042
2025/11/14 07:18 更新


If
If
…りうら。



そう、きっと今回起こった出来事に1番詳しいであろう彼の名を呼ぶ。
するとぴくりと動いて振り向いた。

りうら
りうら
まろ?
りうら
りうら
ど ~ したの。

きょとん、としたりうらは相変わらず末っ子というか、弟というか。

とにかく幼さを強く持ち合わせている。

If
If
俺がないこにかけられた魔法。
If
If
あれの効果?に人格変わりそうな類のやつ無い?

すると真っ赤なくりっとした眼を軽く伏せながら んー、と考えた後にぱっと顔を上げた。

りうら
りうら
…悪夢。

かわいらしい顔とは真逆の言葉。



If
If
悪夢、ね…

りうら
りうら
禁止された魔法。
りうら
りうら
そこの1つに悪夢を見せる力がある。

りうら
りうら
内容としては…、その人が1番嫌いなもの、苦手とするもの、見たくないもの、トラウマ。



りうら
りうら
そこにもし、なにかあればつっぱねること位はいくらでもするよ、きっと。

人が変わったようにかっこよく、目を細めたりうらから放たれる言葉はやはり重みが違う。

If
If
そ、っか…

何を、見たっけ。
ないこ
ないこ
… ッ 


If
If


りうらの話を聞いた途端、ないこは辛そうな表情を浮かべた。

そっか、



If
If
ないこ、覚えてんねや?
ないこ
ないこ
え?

If
If
これ、かけた側にも効果あるやんな?
 
りうら
りうら
そうだけど…

If
If
ないこ。
何見たん。
ないこ
ないこ
ぇ?

小さく、発したというより漏れた声。

ないこは目をこれまでにないほど大きく見開いていた。
If
If
そんなに、嫌な内容?
ないこ
ないこ
…ぅん、…そうだね…ッ … 笑
ないこ
ないこ
俺の場合は…遅効性、かなぁ… ッ ? 笑

大きく見開いていた目をふっと細めてぼろぼろと涙を零すないこ。

心配より先に綺麗、が出てしまった自分は彼の友達を、仲間を名乗れない。


ただの、評論家。

If
If


嗚呼、何してんだろう。

人が嫌なことだって聞いたばかりなのになぜ平然としたおれは問えたのだろう。






人の心がないなんて。
















そんなの、ただの。
















____ ロボットじゃん 。

If
If



もともと、人間なのかも分からないこの体。



もしかしたら、ロボットだったのかもしれない。

最初から。

これもぜんぶプログラムだろうか。







ないこ 視点





ぼろぼろと勝手に零れる涙を必死に袖で拭いながら、ふと何も喋らなくなったまろを見るとぼうっとしていた。
 
いつもの考える時とはまた違う。

すべてがごっそり抜け落ちちゃったみたいな。



すると、ふっと春時に吹く優しく暖かい春風みたいに穏やかに立ち上がってすぅっとこの部屋を出ていこうとする。

ないこ
ないこ
ま ゛ッ 、てっ!!


声は愚か、俺の姿も見えていないような振る舞いに少し腹が立つ。


でも心配と悲しみが勝ってしまってどうでも良くなる。

それよりとにかくなんとかして引き止めなければいけない。

それだけが強く頭に残った。

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