そう、きっと今回起こった出来事に1番詳しいであろう彼の名を呼ぶ。
するとぴくりと動いて振り向いた。
きょとん、としたりうらは相変わらず末っ子というか、弟というか。
とにかく幼さを強く持ち合わせている。
すると真っ赤なくりっとした眼を軽く伏せながら んー、と考えた後にぱっと顔を上げた。
かわいらしい顔とは真逆の言葉。
人が変わったようにかっこよく、目を細めたりうらから放たれる言葉はやはり重みが違う。
何を、見たっけ。
りうらの話を聞いた途端、ないこは辛そうな表情を浮かべた。
そっか、
小さく、発したというより漏れた声。
ないこは目をこれまでにないほど大きく見開いていた。
大きく見開いていた目をふっと細めてぼろぼろと涙を零すないこ。
心配より先に綺麗、が出てしまった自分は彼の友達を、仲間を名乗れない。
ただの、評論家。
嗚呼、何してんだろう。
人が嫌なことだって聞いたばかりなのになぜ平然としたおれは問えたのだろう。
人の心がないなんて。
そんなの、ただの。
____ ロボットじゃん 。
もともと、人間なのかも分からないこの体。
もしかしたら、ロボットだったのかもしれない。
最初から。
これもぜんぶプログラムだろうか。
ないこ 視点
ぼろぼろと勝手に零れる涙を必死に袖で拭いながら、ふと何も喋らなくなったまろを見るとぼうっとしていた。
いつもの考える時とはまた違う。
すべてがごっそり抜け落ちちゃったみたいな。
すると、ふっと春時に吹く優しく暖かい春風みたいに穏やかに立ち上がってすぅっとこの部屋を出ていこうとする。
声は愚か、俺の姿も見えていないような振る舞いに少し腹が立つ。
でも心配と悲しみが勝ってしまってどうでも良くなる。
それよりとにかくなんとかして引き止めなければいけない。
それだけが強く頭に残った。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。