第7話

忘れず
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2025/01/11 09:50 更新
『忘れじの 行く末まではかたければ
         今日を限りの 命ともがな』


                儀同三司母







「いつまでも忘れない」という言葉が遠い将来まで変わらないのは、難しいこと。


だから、その言葉を聞いた今日を限りに自分の命なんて尽きてしまえばいいのに。


この和歌には、私にとって何か惹かれるものがある気がする。


だって、いつか自分も彼らのことを忘れてしまうかもしれないのだから………












事務所を去って数日、私は治療と同時進行で新しいことを始めた。


今まで長く続けてきた音楽を、ここで辞めたくない。


辛いことがあったときも楽しいことがあったときも、私はどんなときだって音楽と共に生きてきた。


だからこれから先もどんな形になっても構わないから、音楽という存在と隣り合って生きていきたい。


そう思った私は、アイドルとしてのあなたの名字あなたを辞め、覆面歌手あなたの新しい活動名として生まれ変わった。


もちろん、はじめは抵抗感があった。


病気を理由に自らアイドルを辞めたというのに、また自ら歌手を目指すなんて…ってね。


でも今回はアイドルやってたときとは違ってソロ。 


つまり、自分のペースで活動ができるということ。


またみんなに会ったら、利己的でしょうがない奴だって、思われるだろうか。


いや、思われても仕方がない。


今私が何よりもするべきなのは………いや、したいのは、残った"大切なもの"を大事にすること。














『これやこの 行くも帰るも わかれては
        知るも知らぬも あふ坂の関』
       
                
                    蝉丸





人生は、出会いと別れの繰り返しである。


私は音楽と出会い、生き甲斐を知った。


私はSnow Manと出会い、仲間の温かさを知った。





私はSnow Manと別れて空白を知った。


もし音楽と別れれば、地獄を知るだろう。









言い過ぎな例えかもしれないけど、何も間違ってなんかない。


これから私は病気と向き合って生きる。


音楽と隣り合って生きる。


仲間を忘れないで生きたい。


"生きること"を、忘れないで生きたい…

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