まずは、出来ることから頑張る。それがこの恋で私が学んだ事。
2人の言葉に背中を押されて、私は2度目のデートへ瀬那を誘う決意をしました!
…って、付き合ってから初めてのデートなんだけどね。
デートかぁ…どこに行けばいいんだろう。瀬那の楽しめる場所…んー。
部活が休みだった俺は、佑麻を家に送った後。
礼央に呼び出された俺は、礼央の家に来た。
…つーか、ただの惚気大会じゃん。
勘弁しろよ。
なんでこんな奴らと一緒にいるんだ、俺。理性が飛ぶ飛ばないの前に、お前ら元から理性なんて持ってねぇだろ。言わねぇけど。
いきなり話を振られ、飲んでいたスポーツドリンクを吹きそうになった俺は、礼央を一睨みしてそれだけ呟く。
だんまりを決め込む俺に礼央が口を開く。
何言ってんのコイツ。
まじで頭おかしいんじゃ…
つーかそもそも、佑麻とキス以上のことなんてしてねぇし。
意識した事がないわけじゃない。そりゃ俺だって男だし。
でも、佑麻だぞ?…無理だろ。キス以上のことってのがそもそもハッキリ分かってるわけない。
……焦る必要もないだろ。
まじうるさい。こいつら佑麻以上にウザいんじゃねーかな。
自分でも知らないうちに言葉を発してて、我ながら佑麻の事になると嫉妬深いってのも…認めたくないけど理解した。
他の奴が佑麻を色眼鏡で見てんのも、逆に佑麻が他の奴に無邪気に笑ってんのも…ため息吐きたくなる原因。
毎日 毎日 ”好き”なんて言ってたら信憑性に欠けるだろ。
いざって時に伝えれば、それで十分。
”それ、嬉しくないの?”
そんな礼央の言葉に少し考える。
……あいつからの”好き”は確かにウザいくらい聞いてきたし、どっかでそれに慣れてきてる自分がいる。
でも、どちらかと言われればもちろん嬉しいし、その言葉をもし言われなくなったら……不安になるかも。
って、あいつに限ってそんな日は来ないだろうけど。
はぁ…また勝手にモテてんのかよ。ちょっとでも目を離せばすぐ他に可愛がられてる。
ほんと、ショコラとそっくり。
危機感もなく嶋中に笑いかけてるし、髪触らせてるし。
あー、帰ったら電話すっかな。
…いつぶりだろう、電話すんの。
でも、今 無性に声が聞きたい。
少し幼いあの声で”瀬那”って、呼んでほしい。
”俺だけ見てて欲しい”って、言いたくなるのはやっぱり俺の独占欲が強いからなのか?
まぁ、誰にもやんないけどな。
って口に出せればあいつも喜ぶのかな。
…言えねぇけど。
震えるスマホに気付き、半分寝ぼけながら通話ボタンを押したのはもう23時半を過ぎた頃。
私は、ベッドの中でもう少しで深い眠りに落ちる寸前だった。
電話の向こう、聞こえる大好きな人の声に一瞬で目が醒めるのは私だけかな。瀬那から電話をくれた…それだけのことがこんなにも私を満たしていく。
あーー!もう、大好きっ!!
訳もなく、用もなく…電話したいなって思える相手に私はなれたってこと…だよね?!そんな幸せなことってない!
この瞬間、電話してる全てのカップルに告ぐ!!私が1番幸せだぁぁあ!!
※とっても勘違いです。
何を言いだすんだろう、この人は。
そんなの、毎日思ってる。毎時間 毎分 毎秒 瀬那の声を聞いてたって足りない。
忘れてるんじゃないかな?
私がストーカー並に瀬那を好きだってこと!
瀬那って、分かってない。
実は意外と大胆なこともさらっと言ってのける。
そんな言葉がどれだけ私の心臓を過労させているか分かってない!
って、まぁそれは付き合う前からだから今更なんだけど。
私だって、いつも聞きたいって思ってる。会って話せるのも幸せだけど、離れてる時にこうして私のことを思い出してくれるのって、もっと嬉しい。
しかも、こんな風に電話くれるとか私の運を今ここで全部使い切ったんじゃない?!ってくらいサイコー!
ほらね?
やっぱり、ちゃんとラブラブだと思うんだよね私達!
電話で聞く瀬那の声はいつもより甘さが3割増。
直に心臓をえぐってくるから、私 命が何個あっても足りないっす!!!
本当に不満がある訳じゃない。
でも、茉央ちゃんたちの言ってることにも素直に
"なるほど"って頷けるし…
考えてみれば、見かけるカップルはいつも腕を組んだり手を繋いだり幸せそうに歩いてて、その度にどこか寂しい気がしてたのはこれが理由かな。
だって、瀬那の1日を貰えるんだよ?貴重なお休みだよ?独り占めだよ?!
な、何それ!!!
普通 彼女がデートしたいって言ったら"どこに行きたい?"とか聞くもんじゃないの?!
"考えとく"って何?!!
……やっぱ、一方通行。
違う、瀬那も私のことを好いてくれてるのはちゃんと伝わってくるんだけど、きっとその気持ちの重さが違いすぎるんだ。
だから、たまにこんな風に独りで空回って、被害妄想に走って…自己嫌悪。
あーあ、朝起きたら瀬那も私と同じくらい私のことを好きで好きで仕方なくなっちゃえばいいのに。
なんて、アホな私の考えそうなことだよね。ほんとに。
分からずや、アホ、無駄にイケメン!!
え?!最後のはもはや褒め言葉だって?!仕方ないじゃん!好きなんだもん!!
結局、どんなに憎たらしくても好きなんだもん!!
……って、私 今 瀬那に向かって"バカ"とか言わなかった??
まずい……それは、まずいって!!
え、なに?!本気で怒ってる?!
…い、いくらなんでも沸点低すぎない?私なんていつも"ばか"と"あほ"のダブルパンチ喰らってんのに!
どんなに呼び掛けても返事がない。そんな瀬那に少しだけ大きめに呼び掛けながら、恐ろしくなってベッドの上に正座したのは…私です。
規則正しい寝息。
心臓はドクドクとさらに高鳴って胸がギューーって苦しくなる。
なに?!まじ?!可愛すぎるんですけど!
珍しく電話かけてきたかと思ったら、声が聞きたかったとか言ってくるし挙句、通話したまま寝ちゃった。
可愛い!!可愛すぎる!
あー、なんかカレカノっぽいじゃん。これだよこれ!こんなのを求めてたの。
瀬那の彼女である私しか知らない、出来ない、そんな事がしたかった。
寝てる瀬那を呼んでみても、すっかり夢の中のご様子で、どんな夢見てるんだう。
私も夢で瀬那に会いたいな〜、なんてニヤニヤが止まらないのも言うまでもなく。
通話終了ボタンを押すのが名残惜しくて仕方なかったけど、今日は幸せいっぱいでぐっすり眠れそうです。
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭ꕀ♡












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。