朝ー
朝起きて、家を歩くのが日課となった今日この頃。
3年前から始めた事だがすぐに日課になってしまった。
まぁ、どうせ今更だけど何処かで
帰りを待っている自分がいる。
それでも良い。母さんが少しでも喜ぶなら。
さて、今日は呪術高専に行く日だ。
早朝なのでそっと呟いてから家を出た。
「東京都立呪術高等専門学校」
私立の宗教系学校を装っているが
実際は都立であり公費で運営されている。
ここに通う事になったのは、あの人のせいだ。
”あの人”はある日突然やって来た。
6年前-
その日は丁度早帰りの日で、1人
進路についての紙を握りしめながら帰っていた。
別に進路なんて正直に言ってしまえば
どうでも良い。希望があるならば将来的に
就職しやすい高校。
そう思っていたのに…
そう思えばこの時から自分の人生は
狂い始めていたのかも知れない、いやでも…
いや、取り合えず本題に戻そう
その”不審者”です、と言っている様な
服装の男性は話しかけると驚いたように
こちらを見た。全身じっくりと…この時は
普通に怖かったです。
怖かった。本当に怖かった。
母さんはこの人の知り合いでは
無いと思ったから。本当に不審者かと思った。
もう確信して言っていると
分かった以上、足掻きは無駄。
この人、お菓子食べに来たのか?
指をこちらに向けながら
その不審者らしい人は言った。
喜久福の箱を持ちながら
やったーと言う不審者らしい人。
この人本当に何しに来たの…
「五条悟」
よろしくね、と言い足す
目の前の人物は少し不思議な存在だった。
この人、自分が有名人だと
思っているんだろうか
話が一切噛み合ってない気がする。
早く出て行ってくれないかな、そろそろ
母さんが帰って来ちゃうんだけど…
*
豆知識💡
あなた君は家族の事となると
結構ガチで話します。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。