誰かの言葉じゃ満たされない。
ただ、ザキの言葉が欲しい。
俺とザキは永遠に結ばれない様な気がして、怖くなる。
逢えたら引き裂かれて、それが繰り返されてく。
頼ると紅葉は苦しんでしまう。それは虚言なのか?
どうしよう。どうしよう。どうしたらいい?
俺が誰かから…ザキから、必要とされるには?
いや、ザキに解ってもらえる為には?
どうしよう。
考えないと。思考を動かさないと。
でも、バカっぽくやってきた俺には賢くなんてよくわかんなくて。
白く、白く、遠く、軽く、薄く。
_______ また 、 一錠
また、また、また、また…?
やだ、助けて…
でも 、 おれが 、たすけなんて
『 裏切れば良いだろ 』
おれは 、 まだ 、 がんばらないと …
『 頑張るのも承認欲求だろ ? 』
まだ 、 いける 、 から ……
『 いけるっていってさ 』
ちがう 、 おれは 、 おれは 、 だって …
『 最後に終わって 』
そんなこと …
『 俺が崩れた時にザキが 、 自責の念で俺だけを見る 』
『 ”ソウイウコト” なんだろ ? 』
_______ なんで、そんなこと、違うのに…
心底疲れた。
しんどい。
もうやだ。
でも 、 まだ 、 頑張ったら 。
『 ご褒美 』あるよね ?
昔はザキ、よく頭撫でてくれてたっけ。
抱きしめてくれてたっけ?
ザキは 、 俺だけ見てくれるかな ?
へへ 、 だってザキが悪いもん 。
勝手に離れるもん 。
倒れたら、心配してくれんのかな。
心配してくれたら、嬉しいなぁ……
でも俺健康体だし。倒れねぇかも。
どうしよ。
_______やっぱ、もっと飲むか。
ひー、ふー、みー、よー……
今日もまた、薬瓶を開ける。
1日3錠、なんて決まりはもう俺の中でなくなっていって。
怖くて。
痛くて。
しんどくて。
辛いし。
嫌だし。
嫌いだし。
無理、だし。
こんな自分大っ嫌いで、消えればいいのに。
自分が自分じゃなかったら良かったのに。
もっと強くて
賢くて
優しくて
努力家で
カッコよくて
いつも冷静で
誰かが憧れるような
誰かの、『 ヒーロー 』みたいな
そんなやつに、なれたらよかったのに。
また薬に塩味が投下される。
なんで、なんで、なんで
なんで、なんで、なんで、俺が俺で
なんで、なんで、なんで、お前らがお前らで
なんで、幸せって素直に思えないんだよ……
こんな自分が大っ嫌いだ。
傷ついて、壊れて、消えたらいいのに。
服の袖についた赤い跡は、俺の存在証明みたいなもので。
見ると少し微笑ましいのは、ちょっとだけ目が疲れた証拠。
_______ あ 。
勢い余って、机に腕をぶつけた。
普通に音はなる。
………流石に、こんな夜中に起きてる奴なんていないよな…??
まぁ、流石に大丈夫だろ。
だって、ここには紅葉しかいないし。
でも、剣士って鋭そうだし………
怖い
廊下の電気がつく。
ザキが言葉に詰まる。
違うのに。言いたいのは、これじゃないのに。
けど、俺の言葉で心を抉られてるようなザキの顔は
俺の中の『 ご褒美 』みたいだった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。