あてもなく大股で足を進める。
俺はまだ誰かも分からない人狼相手に殺意すら覚えていた。
変わり果てた仲間の姿がフラッシュバックし、足が止まる。
ふと大切なことを思い出した。
もしも俺も人狼だったら………?
いや、こんなこと関係ない。俺は何があろうと、仲間を殺すなんて有り得ない。
俺はスマホを取り出し、メールを開いた。
「ないこ様の役職は‘村人’です。村人陣営として、人狼を殲滅してください。」
役職なんて関係ないと思っていたが、改めて自分が村人陣営だと分かるとホッとした。
自分は、奴らとは違う。
我ながら醜く稚拙な考えだと自嘲した。
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思わず声が出てしまったが気にしない。
そうだ、自分は役職を見損ねたんだ。
スマホを開くとすぐメールの文面が出た。
「りうら様の役職は‘人狼’です。
俺は人狼。
人狼陣営として、村人陣営を殲滅する_______
思わず笑いが込み上げる。
ああ、そういうことか。
楽しくなってきた。
村人陣営を殺しに。
現在判明している役職
りうら 人狼
-hotoke- ???
初兎 ???
ないこ 村人
If ???
悠佑 ???
Coe. ???
Relu ???
如月ゆう ???
こったろ ???
くにくん ???
LAN ???
暇72 ???
❌すち ???
雨乃こさめ ???
いるま ???
みこと ???
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!