……なんでこんなことに。
遡ること、数分前。
着替え終わった人たちが、次々に委員長のもとに集まる。
となると、私は…待て、誰の隣になるんだ?
相澤先生の隣が一番平和なんだけど…。
そして、現在に至る…。
正直どっちの隣も嫌なんだけど…。
うえぇ、どーしよ。
びっくりして変な声出たじゃないか…。
キタコレ先生神ッ!!!!!!!
私はそう言って彼に着いていく。
後ろでは轟と爆豪が何か言いたそうにしていたが…。
まぁ、いいでしょ。
バスに乗り込んだ私達は、誰にも聞こえないような小声で話す。
そう言った相澤先生は前を見据える。
少し戸惑ったような相澤先生を横目に、私はよく夢に出てくる少年を思い浮かべる。
名前も知らない、ただ個性が雲だというのは分かる。
それに、彼は雄英の制服を身にまとっていた。
私の問いに、彼は悲しそうに目を伏せた。
同級生でした、か…。
酷いこと聞いちゃったな。
それからは無言だった。
そして…レスキュー訓練が始まった。
目的地である建物の中に入ると、そこにはスペースヒーロー13号が待ち構えている。
麗日も、先程の更衣室でのことがなかったかのようにはしゃいでいる。
視界の端で、相澤先生と13号が何かを話しているのが見えた。
それについてはもう、何も言うことができないからね。
それに、個性はもう譲渡されてるらしいし。
だいぶ金がかかってる。
なんて考えていたら、13号が私達の前に立って何かを話そうとしていた。
私がかつて持っていた個性、無為は
半径数メートル以内の「目的」「意味」「意思」を曖昧にする。
すなわち、「生きる」という意思を曖昧にすれば、
簡単に人を殺せることができるのだ。
術式だってそうだ。
人間より遥かに強い呪霊を殺すためにある力。
つまりは、人間にこれを向けた場合
簡単に人が死んでしまうのだ。
行き過ぎた力は人を滅ぼす。
それは、私達術師が一番わかってる。
先生の話に皆が拍手を送る。
相澤先生が一歩前に踏み出そうとしたその時
嫌な、気配がした。
そう言った切島が前に出るのを防いだ相澤先生は
キッと前を強く睨む。
呪詛師の気配は感じられない。
となると、ヴィランが呪霊と手を組んだということ。
…なぜ、わざわざ呪霊と手を組むんだ?
…まあ、それは後ででいい。
今言えるのは…。
このヴィランは、人として腐ってやがる。

























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。