――翌日
雄英護衛任務が幕を上げた。
着慣れない、真新しい制服に身を包む。
朝ご飯は…いいや。
食欲ないし。
もう行ってしまおうか。
時間的にもちょうどいいはずだ。
誰もいない家に向かってそう言った私は、雄英へと向かった。
事前に情報はすべて頭に入っている。
もちろん、弟である焦凍がいるということも。
職員室に行くんだっけ。
雄英に着いた私は、一直線に職員室に向かった。
周りから見られているとか、気にしなかった。
準備ができていた相澤先生とともに、教室に向かって歩き始める。
切り替え早っ!?
あぁ…それとあと一つ。
それからは沈黙が続く。
行き交う教師に見られていた気もするが。
頷いた私を見た相澤先生は、扉を開けて教室に入っていった。
…ガッポイ?
何だ、それ
ふーん、そういう設定ね。
守らないと。
そう言う先生の声が聞こえた私は、静かに扉を開けて教室に入る。
その瞬間
という、謎の歓声が上がった。
ぅるさ…。
一切笑うことはなく。
飄々とした話し方で、どこか掴みどころのない人。
それが、私の護衛任務中の姿だ。
勢い良くそう言ったのは、ピンク色の肌をした女の子。
そう言って寝袋で寝始めた先生。
分からないからね〜。
そう続けると、多くの人が挙手をした。
って、これほぼ全員じゃん。
ん゙…。
彼氏ねぇ。
恵がいるけどまぁ。
私の言葉に、芦戸さんはどっちだよぉー!と言いながら席についた。
そもそもこのクラスに緑のもじゃもじゃって…。
君しかいないでしょうに。
ヒーローは馬鹿が多いの?
…やっぱり馬鹿だ。
個性が無いという可能性を信じて疑わない。
ヒーロー科=個性が強い。
みたいな公式でもあるのかな?
そう言うと、ヒーロー科の同情を集められたらしい。
クラスが静まり返っていた。
…強いか、ねぇ。
…何か疲れるね。
私が決めたことだから文句言えないけど。
飯田天哉…インゲニウムか?
ヒーロー一家ねぇ。
でもまぁ、轟家とは違いそうだ。
ほんと、ヒーロー科って良くも悪くも素直だよね。
全く…。
何で、何で…かぁ。
私がそう言うと、飯田くんは申し訳なさそうに頭を下げた。
あれ、あの顔資料以外で見たことある気が…。
んー??
あぁ、八百万家か。
やーっぱり、向こうも気づいてたね。
ぅお、堅苦しいねぇ。
ちょっと気まずいからやめてほしいんだけど。
私はそう言って、クラス全体を見渡す。
術式オッケーなんだ。
なんでもありじゃん、やば。
ふーん、まいっか。
私はそれだけ言って、更衣室へと向かった。
着替えるときに、どうしても見えてしまう体中の傷。
せめて、せめて轟家に生まれなければ、こんな傷なかっただろうね。
…にしても。
雄英の体操着動きづらいね。
本調子は出せなさそうだ。
ってか、A組全員来た感じ?
面倒くさ…。




























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。