少し屋上で風を感じてから教室に戻る。
5限が始まってしばらく経つけど…。
まぁ、いいでしょ。
んー…?
あぁ、そゆことね。
その言葉には返事を返さずに席につく。
それからの授業はあまり聞いていなかったような気がする。
あの残穢が、気になったから。
…終わりか。
確か、毎日迎えに来てくれるんだよね?
誰だろ…。
その声と共に扉が勢いよく開いた。
そう言って笑うと、野薔薇は私の腰に手を回した。
そんな言葉と共に人が増える。
そう言った悠二は私の頭を撫でる。
私達はA組に背を向ける。
突然、後ろから呼び止められた。
…えっと、確か麗日お茶子。
何か言いそうな野薔薇を制止して、彼女の方を向く。
それだけ言って、私は野薔薇と悠二の手を引いて教室を出た。
それから家に着くまでは、他愛もない話で盛り上がる。
そう言って笑ってくれる二人が、とても眩しかった。
それから私は、二人の背が見えなくなるまでずっと見送っていた。
…思いもしなかったんだ。
これが、__が迎えに来てくれる、最期の日になるなんて。






















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。