第136話

隆二37
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2020/05/15 11:15
隆二の実家から10分くらいの距離で叔父さんの家に着いた。
ここも大豪邸で驚いた。
隆二は
「ここんちは昔から金持ちだから。夫婦で公務員だったから。」
『なんか、さっきより緊張してきちゃった。』
「大丈夫。俺が居るでしょ?」
隆二の言葉は私を安心させてくれる。

「こんにちは!隆二です。」
すると奥から凄く品のある夫婦が出て来た。
隆二には悪いけど隆二の父親なんかとは比べ物にならない。
「遠い所、良く来てくれたね!」
『はじめまして。田中あまねと申します。隆二さんと、お付き合いさせて頂いています。突然の訪問で申し訳ありません。こちら、つまらない物ですが私と私の両親からです。』

叔父さんも叔母さんも凄く良い人で温かく迎えてくれた。
「わざわざ、ご丁寧にありがとう。礼儀正しい娘さんで隆二は幸せだね。さぁ上がって上がって。」
『ありがとうございます。お邪魔します。』
そしてリビングに通されるとエアコンが効いていて凄く涼しかった。
仏壇があったので
『隆二さんの、おじいさんと、おばあさんですよね?お線香あげさせて下さい。』
「ありがとう。君は素晴らしい、お嬢さんだ。」
そして隆二の、おじいさんとおばあさんの仏壇に、お線香を上げさせてもらった。
叔母さんが
「暑かったでしょ?冷たい、お茶入れたから飲んでね!」
隆二の実家では飲み物さえ出てこなかったのに。
『すみません。ありがとうございます。頂きます!』
私は、あまりの暑さと緊張で喉がカラカラだったので、つい飲み干してしまった。
『すみません。緊張していて飲み干してしまいました。』
「いいのよ、いいのよ。飲んで飲んで!」
『ありがとうございます。初めて、お邪魔したのに失礼で申し訳ありません。』
「そんな事ないわ!本当よく出来た娘さんね!」
叔父さんも叔母さんも私を凄く褒めてくれた。
それから肝心な結婚の報告。
隆二は
「叔父さん、叔母さん、急なんだけど、あまねと結婚する事になりました。今日は、その報告に来ました。宜しくお願いします!」
『突然の、ご報告で申し訳ありません。結婚させて頂きたいと思っています。宜しくお願い致します。』
何て言われるかな?
隆二の父親みたいに無言かな?
ドキドキしていると
叔父さんも叔母さんも凄く笑顔で
「嬉しい報告だね!隆二おめでとう!あまねさん、隆二を宜しく頼むよ!」
「隆ちゃん、良かったね!素敵な、お嫁さんで嬉しいわ!あまねさん、これから宜しくね!」
2人共、私達の結婚を凄く喜び祝福してくれた。
『ありがとうございます!ふつつか者ですが宜しくお願い致します!』

それから緊張が一気にほぐれた。
叔父さんと叔母さんから質問責めにあったけど、さっきの隆二の実家より、ずっと居心地が良くて話しやすくて。
すると叔父さんが
「お祝いだね!寿司でも取ろう!」
そう言ってくれた。
『初めて、お邪魔したのに食事まですみません。』
「いいのよ、いいのよ!お祝いなんだから!遠慮しないで食べて。」
『ありがとうございます。いただきます!』

それから色々話をしていると叔母さんが突然
「あまねさん、どこか隆ちゃんの、お母さんに雰囲気が似てるわよね、お父さん(叔父さん)?」
「あぁ確かに!何だか初めて会った気がしない様な感覚は、そのせいだったんだね!隆二、本当に素敵な娘さんを選んだね!」

やっぱり私と隆二は何か運命的な物があったんだろうと感じた。

それから叔父さんの家を出て帰宅する事に。
帰りの道中
「あまね、今日は沢山気を使って疲れたでしょ?ありがとうね!」
『緊張したけど祝福してもらえたから良かった!これで結婚出来るね!』
「幸せになろうね!」
『うん!』

やっと認めてもらえて、あとは婚姻届を出すだけ。
私の誕生日まで後3日。
もうすぐ私達は夫婦。
幸せしかなかった。



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