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その後も由佳と色々駄弁っていると、ガラガラガラッと扉が開く音がした。
教卓の方に目を向けてみると、そこには私たちの担任である片寄先生が立っている。
片寄先生は顔が整っていて、凄いかっこいいと思う。
この学校でも片寄先生の事が好きという生徒も沢山いると聞いたことがあるほどだ。
でも、私はたしかにかっこいいとは思うけどなんか違う気がするんだよなぁ。。
由佳はこそっと小さい声で言いながら小さく手を振って自分の席へ戻っていった。
片寄先生が新しい先生という言葉を出した瞬間、クラスがざわついた。
こんな中途半端な時期に新しい先生ってなんでだろう。
まぁそんなことより、新しい先生って男かな?それとも女の人?
イケメンで私のタイプの先生来てくれないかなぁ…。
ま、そんな先生なんているかわからないし、来ないだろうけどね。。笑
…え、待って。めっちゃかっこいいじゃん…!
しかも、片寄先生と並ぶとなんかちっちゃく見えてちょっと可愛い…笑
多分、アレ相当鍛えてるんだろうな。
服を着てても分かるくらいがっしり筋肉がついている。
神様、こんなかっこいい先生をありがとう。
なんとなくこれから先の高校生活が楽しみです。笑
そんなことを思っている時、ガラガラっといきなり扉が開きみんなが一斉に開いた扉の方を振り返る。
のうのうとあくびをしながら入って来たのはこのクラスの問題児と言われている、佐野玲於。
ちなみにこいつが私の席の隣なんだよね。
遅刻常習犯で、毎日のように遅刻して来てるけど…笑
最初は色々注意してたけど、もう先生も諦めたみたいで、片寄先生と数原先生は苦笑している。
いつもは席に着くとすぐ机に突っ伏して寝るのだが、佐野くんは数原先生が気になるみたいでまだ起きている。
名前を聞けば、興味がなくなったみたいで佐野くんはいつものように机に突っ伏した。
正直、佐野くんは少し苦手。
だって結構冷たいし、ちょっと怖いんだよね…。
いつも友達と一緒にいるイメージとか全然ないし。
多分、佐野くんは一匹狼っていう言葉がぴったりだと思う。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。