第93話

No.93
1,555
2025/04/17 11:36 更新


手を引いてタクシーにのりこむと



スッと手を離された。



あなた
めっちゃ眠くなってきた…
渡辺翔太
だから、飲み過ぎだって。


あんまり強くないくせに


勢いで酒を飲むのは変わってなくて


ちゃんと連れて帰らないといけないことを


わかっていたから今日は酒を飲まなかった。


こっちが酔ってる場合じゃないし、
渡辺翔太
…お前のためなんだけど?
あなた
なんか言った…?
渡辺翔太
べつに。


あなたは目を閉じて窓側にもたれながら眠ろうとする
















急にタクシーが勢いよくブレーキを踏むと


ゴンッ



と鈍い音がする



あなた
いたーい…


タクシーの運転手「すみません!大丈夫ですか?」



渡辺翔太
大丈夫です。
気にしないでください!


頭をさすりながら目を閉じているあなたに


少し近づくように座り直す





窓につけている頭に手を持っていき




こっち側に倒して






俺の肩にあなたの頭を乗せる




あなたは何も言わずそのまま眠ってしまった









しばらくすると




スースーと気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる





全力で仕事して全力で食べて飲んで



結局疲れて寝る




ほんと自由すぎんだろ、こいつ。














渡辺翔太
あっ!ここで大丈夫です。
家の少し手前でとめてもらい


あなたに声をかける






寝ぼけながらも車から出て2人で歩きだす




フラフラするあなたの腰に手を回し



支えながら少し歩く











渡辺翔太
まじ勘弁…
あなた
んーーーーーっ。


家までのあと少しの距離が遠く感じた。





細い小さい体だと思っていたけど


触れた腕も腰も意外とガッシリしてて


俺より筋肉あるじゃん



なんて思いながら






家の扉を開けて



玄関に座らせる
渡辺翔太
おい!ついたぞー!
あなた
はーい


いい返事をするものの


寝転がって起き上がる素振りはない








渡辺翔太
ここで寝るなって。
あなた
んーっ…





渡辺翔太
はぁーーーっ。




目の前に転がるあなたを少し睨んでから





身体の下に手を回し抱えあげた








渡辺翔太
お姫さま抱っこなんかしたの
はじめてなんだけど。
渡辺翔太
ってか、意外と重っ…。




歯を食いしばりながら歩き



手を伸ばしてあなたの部屋のドアを開ける





我慢の限界が近づきながらやっとの思いで




ベットに着く。







耐えきれなくなり、少し乱暴にベッドに向かって



投げる形になってしまう。








渡辺翔太
うわっ!
あなた
ん〜っ。


何もなかったかのように声を出して


寝返りを打ち、気持ちよさそうに寝てる



渡辺翔太
運んでもらっといて礼もなし。
背中向けて寝やがって


少しかがんで、しょうがなく



布団をかけてやろうとした時だった





急に体の向きを変えはじめて





びっくりしてしまう
渡辺翔太
ぅわっ


少し離れて座り込む












視線の少し先にはあなたの顔があった


















なぜかその顔に見惚れてしまう












白い肌

綺麗な鼻筋

長いまつ毛







ゆっくりと




ゆっくりと手を伸ばして




あなたの頬に手を添えた






一定のリズムで聞こえるあなたの寝息が







どんどん近くに聞こえてくる














気づくと俺は自分の顔を近づけていた





















もう少しで唇が触れる












唾を飲み込み











あなたの唇を見つめながら

















首を傾けた














その時だった

































深澤辰哉
あれ?あなた帰ってんのー?











廊下からふっかの声が聞こえて







あなたから急いで離れて立ち上がった










深澤辰哉
んっ?なべ?





ふっかが部屋に入ってきた






渡辺翔太
こっ…こいつ潰れやがってさ。
深澤辰哉
2人で飯食いに行ってんだっけ?
渡辺翔太
まぁ…
深澤辰哉
ほんと仲良くなったね〜。
渡辺翔太
いや…別に。
じゃああとは…よろしく。





そういうと、なべは急いで出て行った





ベットで気持ちよさそうに寝てるあなたに





そっと布団をかぶせた








深澤辰哉
おれ…邪魔しちゃったかな…



あなたの頭を撫でて





静かに部屋を出た。

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