第46話

#45
957
2025/03/23 12:59 更新



JEONGHAN side






「だって君、クローン体でしょ?」





そう言うと、明らかに彼の動きが止まった。


やはり図星か、なんて思いながら起き上がる。











「…さすがジョンハンさん。でも、何故わかったのです?僕はかなり人間として化けることができていたと思うのですが?」




人間のように、こてん、と首を傾げる。


しかし、その首元にはあるマークがあった。











「何故、ね。だって、どうせお前ができた…、いや、お前たちと言った方が正しいのかな」






「お前たちが出来た原因は、俺だろうから」














きっと、ドギョマが本来クローン体へするためのはじめのからだ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・だったはずだ。


しかし、それを俺がぶっ壊したせいで、もう一度やり直し。






「どうせ、データは取っておいたんだろうから、簡単に実験は再開できたけど。俺やあいつからとったデータをもとに、きっとお前に記憶や能力を与えているはずだ」





「だってお前の行動、どこか俺たちに似ているし」
















…そう。


結局クローンを作るためのデータは俺たち2人のもの…。しかも一つは途中までしかない、実際不完全のものだ。





そのせいで、人格を一から作り出すことは難しかったのだろう。



だから、彼は俺やドギョマのような既視感を持つ性格になった。もちろん、戦闘においても。

















「そして何より、そのナンバー 縛り  






彼の首元を指で指す。














「それは、俺にもある。クローン体作成のための実験体、というしるしだ」





…ドギョマのは、残らないように治療させてもらった。

まあ、うっすらとは見えるだろうけど…。













「俺にもあるから、お前を見てすぐに気がついたよ」





初めてといってもいいほど、彼と目を合わせた。




彼の瞳は、しっかりと潤っていて、俺の瞳を捉えている。





…けれど、隠しきれない違和感。














「ああ、お前も可哀想な人かって、」





その言葉に、彼は驚いたように目を見開いた。





「あ、あとあいつもでしょ。あのロボットみたいな。あれは一から人格を作ろうとして失敗した感じ?」






なんかクローン体として、であってもやりすぎた感じのやつだよね、


なんて思っていると、急に彼が涙をこぼした。



















「……え、お前泣けるの」







それが第一声なのは、突っ込まれてしまうかもしれない。

いや、俺が大切にするのは仲間だけだから…。






という訳ではなく、単純に、クローン体にそのような感情が搭載されているとは思わなかったのだ。







しかし、彼もまた、俺と同じように驚いているようだった。








「…あれ、確かに感情の種類は教えてもらいましたし、それの演じ方も教えられましたが…。なんでしょう?これは。目から水が出るなんてこと、あり得るんですね」









ぽろ、ぽろ










涙が床へ落ちていく。






















俺はまた間違えたのだろうか。


これは、俺のせいだろうか。













気持ち悪さが、胸の中でぐるぐる渦巻く。




















…ああ、本当に俺は

















「……俺が、お前たちを助けてあげようか」
















俺は俺が、大嫌いで仕方がない。



































JUN side





「ジュニヒョン。こっちです」








先に道を確保してくれていたミョンホやスングァンの案内で、僕たちはbutterの韓国本部があるところへやってきた。…正直、わかるとは思っていなかったが、匿名で住所がウジのパソコンに送られたのだ。






「本当、一体誰が教えてくれたんだろうね」



隣にいたウォヌに話しかける。


ウォヌは少し鬱陶しそうにしながらも、しっかりと「そうだな」とだけ返事はしてくれた。




少し冷たい気もするが、今はそれを詰める時ではないので、大人しく引き下がる。












「…全員いるな?じゃあ予定通り、3手に別れよう」



今回は全員が作戦に参加しているので、4人ずつのチームになって別行動をする。








まず、初めに入って警備員の目を惹きつけるのが


ホシ、ミョンホ、ミンギュ、バーノン



そしてその裏で、防犯カメラなどのあるセキュリティ室を主に集中攻撃し、セキュリティの乗っ取りを図るのが



シュアヒョン、ウォヌ、スングァン、そして僕。






そして、そのセキュリティ制圧がうまく行ったら、ジョンハニヒョンを救出する



クプスヒョン、ウジ、ドギョマ、ディノ








本当は僕も第3陣に入りたかったけど、第2陣にももう少し戦力を分けるために、僕が入った。

残念。まあ、防犯カメラとかで現場は見れるのかな?










「よし、第一陣。お前たちはかなり重要だ。ヘマはしないように、行ってこい!」



ウジが、第一陣の中のリーダーであるホシの背中を押して、出発させた。







ホシの背中が、なんだかいつもよりかっこよく見えるなぁ…。

やっぱり、いざというときは何だかんだ頼れるのがホシ。



なんて思っていると、第二陣も出るタイミングになった。









今度はウォヌと僕を見て、ただ静かに「任せた」とだけ言った。


リーダーはシュアヒョンだが、おそらく暴走しないように、責任を僕たちにも分担させているのかな?



それでも、なんだかウジがいつもより僕たちを頼ってくれている感じがして、笑みが治らない。














ふふ。嬉しいな。



だって、今日成功すれば、ようやく円も直るし、みんなのいつもの日常が戻ってくる。




僕の大好きなあの空間が、再構築される。












復讐、なんて言い方をするけど、僕はそうは思っていない。


…ただ、いつもの日常に戻るための、いつも通る道だ。



















…ずっと笑っていたら、スングァナとウォヌに「何こいつ」みたいな目で見られたけど、まあいいや。






もう少しで目的のセキュリティ室に到着する。















「さ、始めちゃおう!」


























僕たちの、最初で最後のパレード 復讐  だ!







プリ小説オーディオドラマ