お昼ご飯を食べ終わって須藤と雫はまったりとしていた。昼の日差しがカーテンの隙間から漏れ出て、部屋の温度をさらに上げていく。
オレンジジュースをストローで混ぜながら、雫は話を続けた。
夜の帰り道、後ろから付いてくる人がいる、という相談だった。スピードを上げると同じように上げてくるから、きっと雫の後ろをついてきてるに違いない、と。
須藤は真顔で言いながら雫の目を見つめた。雫がほんのり頬を染めながら、手を伸ばして須藤の手に触れる。
心配そうに須藤も手を握り返し、雫の瞳を見つめた。雫は嬉しそうに笑って、もたれかかるように須藤へと体を預ける。
――雫は俺だけの子なんだから。怖がらせていいのは俺だけなのに。俺の雫を怖がらせるだなんて、許せないな
須藤が心の中で思ってることには気づかず、ただ雫は目を閉じて幸せに微睡んでいた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。