私は菫!
お母さんが、「スミレのように綺麗に、美しく生きてほしい」って言って、この名前をつけてくれたの!
……でもね、私、本当は「透風」ってお家じゃないのかも。生まれた時から黒髪で、赤目だったから……
私のお母さんもお父さんもびっくりしてたし。
……ううん、お母さんとお父さんはい〜っぱい大好きって言ってくれるから、私は「透風菫」なの!
それに、お母さんの白髪にはならなかったけど、お母さんの黒髪もとっても素敵だし!
今日はね、いつものお兄さんのところに一人で行くんだ!もう菫は小学生のお姉さんなんだからね!
そう思って、いつもの道を進んでいたのだけど……
いつの間にか、迷っちゃったみたい。
そう同じ場所を行ったり来たりしていたら、怪しめのおじさんが道迷っちゃった?、と声をかけてきた。
なんて言葉を怪しめのおじさんが言ってきた。
よぉ〜し、言質取ったもんね!
そう、菫は魔法少女なのだ!
現れたのは、菫の助手の零お兄さんだった!
……う〜ん、これじゃだめかぁ。言い方を変えよう!
現れたのは、倒してくれた張本人だった!
きゅるきゅるの目で零お兄さんを見上げるように見つめてみた!
こうかはバツグンだ!
零お兄さんを倒したぞ!
頭をおっきい手でぐりぐりされる。
でもちっとも痛くないから、零お兄さんが手加減してくれてるのがわかるの!
怒ってる顔してるけど、零お兄さんは基本的に優しいから、菫大好きなの!
……でも、真顔でドス黒いオーラが出てきたら、本当に怒ってる時だから素直に謝らなくちゃいけないけどね!
その時だけは、絶対に逆らっちゃいけないの!
クッキー缶さえあれば菫は無敵だもん!
クッキー缶が魔法少女菫のコンパクトなんだから!
いつの間にか止まっちゃってた菫を、れぇが引っ張ってくれる。
目の前には、夕焼けでオレンジに染まった空が輝いていた











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。