リノヒョンと僕に溝ができ始めて、
関わらなくなってから約1ヶ月。
僕の意図に気がついたのか、
ヒョンは必要以上に構ってこなくなった。
お互いに忙しくなったせいもあるだろう。
曲のテーマはいつまでも失恋にする訳にも行かなくて、
チャニヒョンから、
STAYに向けたラブソングを作ろうという提案があった。
反対できるわけもなく、
こうして今歌詞を考えているわけだけど………。
いくらチャンビニヒョンのラップの歌詞がイケてても、
チャニヒョンの作ってくれた曲のリズムが良くても、
僕の頭には、ちっとも歌詞が浮かんでこない。
足を引っ張ってるのは自覚してるけど、
今の僕と状況が違いすぎてイメージが湧いてこないんだろうな。
考えるのは一旦やめて、ベットに寝転ぶ。
眠いような、眠くないような。
目を少し開けて、ぼんやりとしていると、
思わず、
と口をついてでた瞬間、
僕は僕の本心を自覚した。
僕は、寂しかったんだ。
あんな居心地のいい場所を捨てて、
結局また1人になったんだから。
自分から捨てておいて、戻りたいなんて言えるわけないけど。
唯一取り繕わなくていい、
僕が僕でいられる場所。
もう二度と手に入らない、ヒョンの隣。
そのまま目をつむって静かにして横たわっていると、
ドアが開く音がした。
いつもなら怖くてすぐに起き上がるだろうけど、
今は何もしたくなくて放っておいたら、
足音がして誰かが入ってきた。
僕は動けずに、ベットに寝たままでいると、
頭を撫でられているのを感じた。
そのままゆっくり目を開けると、
そこにはリノヒョンが居た。
またあの目で、
本当に愛おしそうなものを見る目で僕を見つめながら、
優しく僕の頭を撫でていた。
1番会いたくて、でも会いたくなかった。
その視線に心を乱される。
これは夢かもしれない。
そう思って返事は期待せずに話しかけてみた。
務めて優しく。
ヒョンは優しいから、
僕が変に強く言うと、きっと
なんでもないと言って出ていってしまうだろうから。
ヒョンはゆっくりと瞬きをして、
とだけ。
まさかあんな小さいつぶやき声が聞こえていたんだろうか。
もしそうだったとしても、
そんなことはどうでも良くて、
僕の胸の内をぶちまけてしまいたかった。
これが僕にとって都合の良い夢だと信じて。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!