第35話

第33話
3,116
2023/03/12 17:04 更新
リノヒョンと僕に溝ができ始めて、




関わらなくなってから約1ヶ月。




僕の意図に気がついたのか、



ヒョンは必要以上に構ってこなくなった。



お互いに忙しくなったせいもあるだろう。



曲のテーマはいつまでも失恋にする訳にも行かなくて、



チャニヒョンから、



STAYに向けたラブソングを作ろうという提案があった。



反対できるわけもなく、




こうして今歌詞を考えているわけだけど………。




いくらチャンビニヒョンのラップの歌詞がイケてても、



チャニヒョンの作ってくれた曲のリズムが良くても、



僕の頭には、ちっとも歌詞が浮かんでこない。




足を引っ張ってるのは自覚してるけど、




今の僕と状況が違いすぎてイメージが湧いてこないんだろうな。














考えるのは一旦やめて、ベットに寝転ぶ。




眠いような、眠くないような。




目を少し開けて、ぼんやりとしていると、




思わず、

ハンジソン
ハンジソン
さびしいな。

と口をついてでた瞬間、




僕は僕の本心を自覚した。




僕は、寂しかったんだ。




あんな居心地のいい場所を捨てて、



結局また1人になったんだから。



自分から捨てておいて、戻りたいなんて言えるわけないけど。



唯一取り繕わなくていい、




僕が僕でいられる場所。




もう二度と手に入らない、ヒョンの隣。

そのまま目をつむって静かにして横たわっていると、




ドアが開く音がした。



いつもなら怖くてすぐに起き上がるだろうけど、



今は何もしたくなくて放っておいたら、




足音がして誰かが入ってきた。




僕は動けずに、ベットに寝たままでいると、




頭を撫でられているのを感じた。




そのままゆっくり目を開けると、




そこにはリノヒョンが居た。




またあの目で、




本当に愛おしそうなものを見る目で僕を見つめながら、



優しく僕の頭を撫でていた。




1番会いたくて、でも会いたくなかった。




その視線に心を乱される。



これは夢かもしれない。



そう思って返事は期待せずに話しかけてみた。

ハンジソン
ハンジソン
なんでここにいるの?

務めて優しく。




ヒョンは優しいから、




僕が変に強く言うと、きっと




なんでもないと言って出ていってしまうだろうから。



ヒョンはゆっくりと瞬きをして、

リノ
リノ
ハナが寂しがってたから。
とだけ。



















まさかあんな小さいつぶやき声が聞こえていたんだろうか。



もしそうだったとしても、



そんなことはどうでも良くて、



僕の胸の内をぶちまけてしまいたかった。



これが僕にとって都合の良い夢だと信じて。












プリ小説オーディオドラマ