寄たりかかられていた私の腕をグイッと引っ張ったのは、ラギー先輩。
レオナ先輩をキロッと睨みつけて、言う。
ラギー先輩の操る魔法で、仏頂面のレオナ先輩の顔に気味の悪いほどの満々の笑みが浮かぶ。
なんとか一件落着の雰囲気。
グリムたちもなんとか助っ人含めてエキシビジョンで出る幕を用意してもらった様で、嬉しそうにゴースト達を呼びに行った。
誰が出るもんか。
私は屋台でも見回っておこう。
マジカルシフト大会は、結局ディアソムニアが優勝。
私が見ていない間に監督生くんが怪我をした様で運び込まれたと聞いた。
心配だけど……私は私で準備しなくちゃ。
私がアークと入れ替わるまで、もう時間はない。
交友関係から様々、引き継ぎのために用意を進めている。
……お義母様は、私に何をさせるつもりだろうか。
分かっている。
経営破綻の危機をまた救ってほしいのだろう。
でも多分、その先は________
私はここに戻ってくることはないだろう。
だから、今のうちに________
保健室のベッドで座っている監督生くん。
何やら騒がしいその室内は、デュースたちと、それからサバナクローの2人も含めて入り浸っている。
手を差し出すと、首を傾げてその下に手のひらを広げた。
シャラ...
じっと見つめて付けようともしないので、その手首を掴んでブレスレットを倒した。
ポゥ..と、黄緑の光が空間を包む。
自分でも、分からないんだ。
でも……こんなお人好しの人間、これまでの人生で出会わなかったから。
それに何より……他人に思えないんだ。
もう、私は守ってあげられないから。
せめて、そのお人好しで……身を滅ぼさないことを。
それだけを、願っておこう。
________夜
言われた通りサバナクロー寮に行くと、門の前でレオナ先輩は腕組みをして待っていた。
私に気がつくともたれていた壁から背を離す。
前会った時よりはしおらしい感じ。
まぁ、今日あんなことがあったしな。
レオナ先輩を探し求めるラギー先輩の声が聞こえてきて、グイッと茂みに連れ込まれた。
口元を大きな手で塞がれて、座り込んだレオナ先輩に寄りかかる様に隠れらさせられる。
遠のいていく足音。
ようやく解放されて、とりあえず距離を取った。
なんだ、らしくもない。
謝るなんて。
レオナ先輩はゆっくりその場に立つと、気まずそうに頭の後ろをかいて「あー、」と言葉を濁した。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。