あなた side
わたしには今気になってる人がいる
まだ好きではないんだけど
隣の席の彼。
長尾謙杜くん
まぁめっちゃ人気で
遠い存在的なひと
でも隣の席になって
ちょっとずつ話すようになって
ちょっとだけ仲良くなった
「ねぇねぇ」
『へ?』
「教科書みしてくれへん?」
『あ、いいよ』
「ありがとう!」
『忘れたん??』
「なくした…笑」
『え、笑』
「やから教科書届くまで見してもらってもいい?」
『全然ええよ!』
「ほんまありがとう!」
(先生) そこ、静かにしなさい
「『すみません。』」
「やば、怒られちゃった笑」
『やね笑』
「やからさ…」
長尾 (これではなそ?)
『え?ノート?あ、』
あなた (いーよ笑)
長尾 (これならばれへんな笑)
なんていってはじまった
ノートでのやりとり
ほんとすっごく楽しくて
でもね、今日で終わりらしい
明日には教科書届くんだって
だから最後。
さみしいなんて言えるわけなくて
また見てるだけに戻るんだよね
長尾 (なぁなぁ)
あなた (ん?)
長尾 (ずっと言いたかってんけどさ)
あなた (うん)
長尾 (すき。付き合って?)
『えぇぇええええ!?』
(先生) ん?どうした?
『あ、いやなんもないです』
長尾 (がちやで)
あなた (ならよろしくお願いします!!)
「やったぁぁあああ」
(先生) 長尾どうした?
「あ、なんもないです」
『なにしてんのよ笑』
隣の席の彼と
付き合えることなんてないって
おもってた
こんなことからはじまる恋って
あるんだね。笑
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。