第64話

私とベリアン
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2025/06/18 09:00 更新



ある日ぽっちゃり猫を助けたら




よその世界の執事の主になった










これは 私と執事たちのお話



















あなた
え?悪魔化解いてみる??





今日も今日とてバスティンと私を交えた

2階パワー組と別邸若者組での模擬戦中

私を探しにきたミヤジと地下に行けば

すっかり開放されて

自由に入れるようになった隠し部屋で

ルカスとベリアンに告げられた内容に首を傾げた。





もう隠してないから隠し部屋じゃないか。







部屋の中には

相変わらず椅子に座ったままのベレンがいて

みんなが転ばないように明かりも灯されていた。




ここの呼び名、ベレンの部屋でいいんじゃないか?







ベリアン
はい、ベレンの悪魔化が解ければ私が記憶を失った期間のことや天使のこともわかりますし、何より今後悪魔化した仲間を助けるために悪魔の力も使えるようになります




あなた
それは構わないが・・・・・





ベレンはベリアン以外のこと知らないのに

果たして私を受け入れるのだろうか?






ルカス
あなた様の力のことも未知数だからね
どの執事にも有効なのか、自分の意思で出入りできるのか・・・とても興味深いよね



楽しそうなルカスを

ミヤジが眉を寄せて小突いてるのをよそに

椅子に座っているベレンを覗き込む。



相変わらずまばたきもしないで人形みたいだ。







あなた
・・・・・・・・えいっ




ベリアン
っあなた様っ?!?!




近距離でバチンとベレンの目の前で手を叩けば

ベリアンにすごい勢いで首根っこを掴まれた。






ビンタすると思ったのなら心外だ。







ベリアン
っなにして・・・!!




あなた
見えてるのかなーと思って
んー・・・瞬きしたから反射はありそうだな




なるほど、

ほんとに悪魔化を遅くしてるだけで

ベレンの時は止まってないんだな。







あなた
これ定期的に目薬しなくて大丈夫なのか?
戻った時ベレンの目めっちゃパキパキになるんじゃないか?



ルカス
なるほど・・・・それはぜひ研究したいね
ミヤジ
ルカス!




わくわくしてるルカスはさておき、

私とベレンの前に立ち塞がってるベリアンは

私を若干疑わしそうに見ている。



いい大人なんだし子どものいたずら位許せ。





あなた
見て聞こえてるなら一応コミュニケーションとったほうが中に入りやすそうだろ?



ベリアン
それは・・・・・まぁ、そうですけど・・





あなた
ただ無反応だとさすがに私だって嫌だからな
ちょっと刺激入れてこうかと思って




ベリアン
刺激・・・・・?
ミヤジ
・・・・・・あまりいい予感しないが


ルカス
うん意識の戻らない患者にはいいことだね
あなた様!どんどんやりたまえ!




よし、医者のOKも出たな!









あなた
んじゃ失礼・・・・




ベリアン
っあなた様?!
あなた
ベレンー、もしもーし!







よいしょ、と向かい合うようにベレンの膝に座って

焦点のあわないベレンの瞳を覗き込む。

ほっぺをペチペチ叩きながら首を傾げれば

一瞬意識を引っ張られるような感覚を感じて

隣でオロオロしているベリアンの手を掴んだ。






ベリアン
あなた様っ・・・
あなた
いけそうっ・・・行くぞベリアン


ベリアン
っ・・・!







ぐらりと視界が揺れるような暗転に

ぐんと足の力をいれる。



急に足に地がついた感覚に目を開ければ

ついこの間行ったような暗い空間に立っていた。






隣を見れば、手を繋いだベリアンが軽く頭を振って

ゆっくり辺りを見回した。







ベリアン
ここが・・・ベレンの心の中・・



あなた
ん、悪魔化してるとみんなこんな空間なのか?真っ暗で何もないな





バスティンやハウレスたちのように

本人の影もいないし、ラトみたいにモヤの塊もない。


ほんとに何もいない空間に首を傾げた。






あなた
ベリアン、ベレンを呼んでみてくれるか?




ベリアン
はいっ・・・ベレン!ベレン・・!





ベリアンが呼びかけてみても反応はなく

ただ静かな空間が広がっているだけだ。



そういえばいつも見えるその人の記憶もない。








あなた
ムーがいないからなのか・・・
それとも悪魔化を遅くしてる関係で悪魔もベレンも冬眠してるのか・・・・




ベリアン
ムーちゃん・・ですか?




あなた
あぁ、いつもムーが何かに乗っ取られたような話し方になって中に入る気がする・・・・とりあえず出入りは自由みたいだから一度戻るか





ベリアン
しかし・・・・っ




あなた
ベレンも悪魔も留守っぽいんだから仕方ないだろ?





次来る時はムーを連れてきてみるか







フラグ!と喜んできそうなムーを思い浮かべて

渋るベリアンにえいっと抱きついた。
















ベリアン
っ・・・・・・
あなた
・・・んー・・・・
あ、ただいまミヤジ



目の前には心配そうに覗き込んでいるミヤジ。



ゆっくり体を起こしたベリアンを支えながら

ルカスがどうだった?と口を開いた。





ん、やっぱりベレンの膝の上にいて正解だったな







あなた
心の中には入れたと思う
だが悪魔もベレンらしき人影もなかったぞ









ふぁ・・と、欠伸をしながらベレンに寄りかかれば

頭越しにゆっくり心臓の音が聞こえる。



ルカスやミヤジが

ベリアンと次の作戦を考えてる間

なんとはなしに上にある顔を見上げれば

一瞬だけ目があった気がした。









あなた
・・・・・・・・・?




ルカス
あなた様、とりあえず今回はこの辺りで・・あんまり出入りしてあなた様やベレンくんに影響があると大変だからね




あなた
・・・・ん、わかった




ミヤジ
今日はここまでにしようか、ロノくんが食事の時間だと呼びに来るころだしね






ミヤジのロノ、の単語に

ベリアンがぴくりと反応する。


先に準備に行くと出ていったベリアンに

残ったミヤジ、ルカスを見上げた。








あなた
少し前のお前たちみたいだな?



ルカス
ふぅ・・・・そうだね、まだふたりで話が出来てないみたいだ
あなた
ずっとウジウジしてた誰かさんの言葉とは思えないな



ルカス
うっ・・・・・
だ、だからこそベリアンとロノくんの気持ちもわかるんだよ






ミヤジ
あぁ・・ふたりともお互いに信頼の情はある
だがそれを口にして否定されるのが怖いのだろう





あなた
好きなら好きって言えばいいのに







ぼそっと呟いたら

ミヤジとルカスに苦笑いされた。






















ミヤジとルカスも思うところがあるとのことで

次の日珍しく庭に全執事がジャージ集合した。







ルカス
複数の知能天使が確認されたことで、我々もより鍛えていくべきだとあなた様がおっしゃってね
ミヤジ
いまから各部屋の執事でチーム戦を行おうと思う





ん、私なにも言ってないけどな!







ルカスとミヤジの説明に

やる気満々の別邸組(1名除く)と2階組

1階組と3階組がそれぞれの反応を返す。


今回はラトが悪魔化したばかりだから

地下組はドクターストップだ。






ハナマルとかボスキとか、

若干数名面倒くさそうな反応があったけれど

概ねやる気に満ちたチーム戦が始まった。












・・・・・のだけれど。




















あなた
・・・・・・・・・ふむ?




ミヤジ
・・・・・これは・・
ルカス
うーん思っていた以上に深刻だね







執事合宿の時よりも

明らかにチーム戦が上達した別邸組と

アモンをフォローしながら攻撃的に囲む2階組、

そして喧嘩しつつも連携バッチリの3階組に対し

1階組はまさかの全敗だ。




あんまり戦闘の依頼に来ないとは言え

バスティンもロノもベリアンも、

個人のレベルは高いはずなんだけども。








あなた
水の都でのチームワークが幻のようだな




ミヤジ
メイン戦力のバスティンくんがふたりのフォローにまわってしまっているからな・・・・
ルカス
これから知能天使が増えてくると考えると・・・このままではまずいね






あなた
知能天使がこなくてもまずいだろ





1階組は数少ない常識人メンバー組なのに。







ハウレス
あなた様っ!
我々2階組の全勝見て頂けましたか?!
テディ
あなた様!俺も頑張りました!!
ラムリ
ちょっとー!3階だって別邸に負けてなかったんだからねー!?





ほら他の階こんなんばっかだし









全身で褒めてくれと書いてある誰かさんたちに

偶然ポケットに入ってた飴ちゃんを渡す。



ラト用に見つけたパセリ味だった気もするけれど

まぁ売られていた飴ちゃんだから食えるだろう。








肩で息をしているバスティンにもひとつあげて、

微妙な距離感で立っていたベリアンとロノを見上げた。








あなた
ベリアン、ロノ、罰ゲームとして今からハナマル秘蔵の焼酎20本飲み干してこい




ハナマル
ぇえっ?!?!ちょっ・・・冗談でしょ?!お、俺そんなに持ってないしー・・!



あなた
テディ、ユーハン、別邸和室の襖の右奥だ
テディ
はいっあなた様!!
ユーハン
おまかせくださいあなた様



ハナマル
な、なんでそれを・・!
あ、待ってテディちゃんたち!





ハナマル真面目にやらなかったからな

ついでに罰ゲームだ











あなた
・・・・私も模擬戦混じっとけば良かった



ムー
あなた様?!








パセリ味の飴ちゃんを

物欲しそうに見ているラトにもあげて


思春期の親子みたいな距離感のベリアンたちを見送った。























(ラト、その飴うまいか?)

(はい、パセリそのもので苦くて甘いです)


(・・・・・それ、美味しいんですか?)

(ほらムー、あーん)

(むぐ・・・・・ぶふっ・・?!?!)








ベレンを手荒にして欲しくないベリアン



主様が模擬戦入ると話が完結してしまうので
介入は監獄まで我慢です・・・

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