(hkt side)
「え、ごめん、今なんて?」
京「え〜、もう一回言わせるの〜?
だから、北斗が好きすぎて人間になっちゃった!こんなふうに北斗に抱きつけるとか最高すぎる〜〜。ん〜〜!!」
さっきのは俺の聞き間違いじゃなかったのか。
猫のときは、こういう感じできてて違和感なかったけど、いざ人間の姿になったきょうもっちゃんを目の前にすると、違和感しかない。
ってか、さっき俺のこと「好きすぎて」って言ったよな。それって……。
「きょうもっちゃん、あのさ」
大「むぅ。きょうもっちゃん、嫌だ〜。もう俺、北斗のペットじゃないんだよ。大我って呼んで!!」
「え、きょうもっちゃんって、フルネームあったんだ。」
大「だ〜か〜ら、大我!」
「はい、はい。で、大我。さっき、『好き』って言ってたのは、もちろん、飼い主としてだよな?」
そう聞くと、大我は、顔を真っ赤にしながら、こういったのだ。
大「え、LikeじゃなくてLOVEの意味だよ?」
あざとい、あざときすぎる。
そして、待て待て待て〜〜。
落ち着け、俺落ち着け俺!この状況をどうしたら…。
なんて、いろんなことが頭をぐるぐるしてると、大我は俺の首に腕を回して、足は俺の腰あたりをガードして、まるで、子供がお父さんに抱っこしてもらっている感じになった。
「北斗は、俺と恋人になるのは嫌?」
そんなふうに、下から俺を見上げながら、大我は言った。
このときからだろうか?
普通なら、男同士なんてありえないと思う、俺の心の中には、かつて感じたことのない感情が芽生え始めてきたのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。