勢いよく開いた扉の目の前にいる人達は……
さっきあったことを全て話す
ーーー 数年前 ーーー
私は生まれつき身体が弱かった
季節の変わり目や、疲れすぎ、ストレスと で風邪をひいてしまうものであり、薬を飲めば治るものだった
そうして2人は出て行ってしまった
布団に入り、目を瞑った。
それからどれくらいの時間が過ぎたのだろうか
プルルルルルルルルルル…
電話の電子音が家中に響いた
私は嫌な予感を振り払い。
だるい身体にムチ打ち自転車を全速力で飛ばした。
この際雨なんか気にしてられなかった。
ただただ無事でいて欲しいという気持ちだけでいた
台風が直撃しているなか、自転車を飛ばした。
何度も吹き飛ばされた。
けどめげずに何度でも立ち上がった。
そして────────
フラフラになりながらも受け付けへ向かった
すれ違う人は皆驚いた顔でこちらを見てくる
連れてこられたところは手術室前だった
頭が回らない…
誰かに殴られているような痛みに耐えながら考えてみてもだめだった。ダメなことしか頭に浮かばない
その瞬間に
パニックになってしまった
その言葉は後に私の心を握りつぶすきっかけになったのは言うまでもない
ーーー数時間後ーーー
スタスタスタ
手術室からでてきた人にこう告げられた
その言葉で私の目の前は真っ暗になった
少しの希望にすがっていたがその光も絶たれた
そうか、これがどん底に居るっていう気分なのか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!