第11話

旋律が十一人
61
2023/12/31 16:56
あなた
レン?どうしたの、体調悪い?
顔を覗き込むとなんでもない!と顔をそらされてしまった。
どうしたんだろう…?
あなた
レン、みのり達は?
🎤レン
もう帰ったよ。結構遅い時間だし。
レンはそう言いつつ時計を指さす。
あなた
そっか…
少ししょんぼりしながら話すと彼は慌てて
🎤レン
で、でもみんな心配してたし明日も来るって!
と訂正を入れた。
レンって優しいな。
あなた
うん、ありがとう。
まだ少し気分は悪いが、彼は気分が晴れるような面白い話を沢山してくれた。
🎤レン
あ、こんな時間になっちゃったね。
あなた
本当だ…明日もあるし、そろそろ休んだ方がいいかな…
🎤レン
そうだね…あ、でも…
そこまで言うとレンは少し考えるように腕を組み
🎤レン
えっと、その~あなたのベッドが無いから…僕のベッドでもいいかな?
とどこか気まずそうに言った。
よくわからなかったし、特に何の問題点も感じなかったので肯定の返事をした。
🎤レン
はい!ここが僕の部屋!
レンに連れられて着いたのは、いくつかの部屋が集まった楽屋のような場所だった。
みんなはここで寝ているらしく、入るときに静かにねと言われた。
🎤レン
とりあえずシャワーでも浴びる?
先に入っていいのかな、と思ったけど彼の優しさに甘えることにしよう。
襲ってくる眠気と戦いながらこくりとうなずく。
寝ぼけた頭でその場に服を脱ごうとするとレンがわたわたしながら
🎤レン
ちょ、ちょっとあなた!?何やってるの!?
と、叫んだ。
あなた
え、シャワー…
吃驚してそう返すと
🎤レン
そうじゃなくて!女の子が堂々と男の前で着替えるのは危機感なさすぎ!!
叱られてしまった…
何が悪かったんだろう…?
あなた
きき…かん?
🎤レン
そう!危機感!その…俺だって男なんだよ…?
少し顔を赤らめてレンは言った。
あなた
男…?でも、レンは…
意図がわからず戸惑いつつ答えると、そうだけどさ…とさっきより小さい声で言った。
🎤レン
…とりあえず、着替えるのは脱衣所に行ってから!
急かすようにぐいぐいと背中を押される。
されるがままに脱衣所に運ばれると勢いよく扉を閉められた。
何か悪いことしちゃったかな…
軽く考えながら服を脱ぐと扉の外から
🎤レン
シャンプーは黄色、ボディーソープは白、トリートメントはピンクのやつだから!
🎤レン
スキンケア用品は洗面台!着替えは後で置いておくね!
と上ずった声で告げられた。
心地よい温かさを感じながらシャワーを済ませ、レンのいるところに戻ると、彼はベッドに座っていた。

プリ小説オーディオドラマ