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マッシュ → 20
ドミナ → 20
カランカランと音が鳴る。夜遅く、もう既に店は閉店しているはずなのに入ってくる客はドミナくんしか居ないと厨房から顔を覗かせた。
やっぱりと思って、厨房に用意していたシュークリームをドミナくんの元へと持っていく。
ついでに飲み物も持っていった。
そう言ってドミナくんは一口、パクリと新作のシュークリームを口に含んだ。
果たして、美味いのだろうか…と不安もありながら返答を待つ。
ゴクリとドミナくんの喉仏が上下するのを見た後、ドミナくんが口周りに着いていたクリームを取りながら口を開く。
ドミナくんは優しく微笑む。どうやら新作シュークリームは余程美味しかったらしい。名残惜しそうに手に残ったクリームをペロリと舐めとっていた。
良かった、とほっとした気持ちになる。初の試みでりんごやら隠し味を入れてみたのだがどうやら成功したらしい。
流石、りんご好きのドミナくん。少しだけ入れた隠し味のりんごも気付いてくれた。
そう言うとドミナくんは目を輝かせて 欲しい と強めに言ってきた。
分かった と軽めに返事を返して厨房に戻る。
流石にそのまま渡す訳には行かないのでちゃんと封をしてから袋に詰め、ドミナくんの元へと持っていく。ついでに最近、ドットくんから貰ったりんご風味の紅茶も入れておく。
これはちょっとしたサービスだ。
ありがとう と今日何度目かのお礼を言ってドミナくんは席を立った。
なんて言いながらドミナくんは手を振るから僕も手を振り返した。
すっかり暗くなった外にカランカランと鳴り響く鈴の音。
その音と共にドミナくんは放棄に乗り、帰って行った。
僕のシュークリーム店には色々な人が来る。その中でもドミナくんは夜のお客さん。
夜にしか来ないお客さん。
ドミナくんが次来るのは何時だろうか…と考えながら僕も店の戸を閉めて、厨房に戻った。
𝑒𝑛𝑑_。







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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。