次の日
教室に入ると、一角に人だかりができていた
私達は頷き合って人だかりに近づく
人と人の間に入り、中を確認すると…
そこにあったはずの大道具が、傷だらけになっていた
切り方はカッターナイフ
だが、昨日の放課後は下校時刻ギリギリまでみんなで準備を進めていた
みんなが帰った後、誰かが入る様子は全くなかった
その時、上の階から悲鳴が聞こえた
私は立ち上がって教室を出て、階段を駆け上がる
後ろからお兄様が追いかけてきていた
私は走りながらお兄様に戻るよう言う
これからやることは、あまりお兄様には見られたくない
上の階に着くと、廊下は大混乱
先生が走り回り、2-Bの教室の前に、人が集まっている
1人の先輩に声をかけると、先輩は教室の中に目を向けた
あたりを見回せば、生徒達が走り回っている
その中に、見知った人を見つけ、歩み寄る
もう一度教室の中を覗く
中では
日向先輩が、カッターナイフを持って暴れ回っていた
教室の中を睨んだまま、会長に声をかける
会長は一度ため息をつき、頷く
それを確認し、私は怪異になる
そう呟き、背中から生やした手を、日向先輩の背中に突っ込み、中のダイヤルをいじる
そうしているうちに、日向先輩の動きは静かになっていった
日向先輩はカッターナイフを取り落とし、教室を出て去って行った
私はそれだけ言い、その場を去る
少し働きすぎたせいか、すでに疲れている
教室に戻ると、お兄様が走って来て、肩を掴まれた
ダイヤルをいじっている時に刃が掠ったりはしたけど、それも背中の手だ
表面上は何もない
正門へ向かう人達の流れに逆らいながら歩く
ジャラ
忘れてたのか
相変わらずポンコツだ
私は噂に逆らって生きている
暴走している人間なんて見たくない
こうなるから変な噂はやめてほしいと言ったのに…
私は内心で七番様に向けてため息をついた





















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。