少女の声は今にも消え入りそうなほど小さい。
飲んでいたミルクティーを少女に掛け、缶を投げつけた。
少女は助けを求める事が出来ない。
助けを求めても誰も助けてくれない。
言われるままに動くことしか出来ない。
少女が頭を下げ、土下座をした。
少女は頭を足で下に押されている。
少女は唇を噛み締めている。
まだ、土下座の姿勢になっている少女を勢いよく蹴った。
少女は小さく震えている。
他の人達は、見ているだけ。
助けも、いじめもしない。
ただ、見ているだけ。
傍観者
少女は、傍観者を見るのが1番辛い。
傍観者は、少女に危害も、助けも与えない。
それが辛い。
助けてくれるかもしれない。
そう、希望を抱いてしまう。
でも、傍観者はただ、見ているだけ。
見て見ぬふり。
傍観者は弱い。
いじめの的になるくらい気の弱い少女より、強い者に合わせて、強い者と同じことしか出来ない者より、誰より弱い。
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい
どうして少女はこの世に生まれてきたのか
その夜少女は自殺した。
その知らせを聞いた少女をいじめていた者達は自分の鬱憤を晴らす相手が居なくなったことに残念がり、傍観者達は、ああ、やっぱり、と思っただけだった。
少女の死を悼む者はただひとりとしていなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。