仮病を使ったあの日から
先生とは特に何も無く
普通な日々が終わっていく
LINEはやり取りしていたが
何気ない会話で終わっていた。
そして今日も
いつも通りに登校し席に着く。
友達と昨日見たテレビの話や
彼氏の惚気話などを聞きながら話していると
あっという間にHRの時間に。
みんな席につき、先生を待つ
ギャル系女子がこうして先生に言うのも
毎日聞いていたら慣れてきて……
先生も軽く受け流している
明日遠足かぁ……
気だるげそうに言った先生。
その瞬間また女子生徒達が
一緒に回ろうね、とか
一緒に写真撮ろうね!とか
また先生を囲いこんでいた。
本当に先生って
人気だなぁ……とぼーっとその様子を
眺めていた。
たしかに
かっこいいもんなぁ……
いい香りするし
背も高くて
細いのに筋肉が綺麗についてる、というか
本当にいい体してる………………って
私本当に変態だわ。
落ち着こ。まじで。
学校でなんてことを考えているんだ。
軽くほっぺをぺちぺちとし
気を治す。
そしてHRも終わり
授業が始まる。
明日の遠足のことばかり考えて
全然頭に入ってこなかった
授業内容。
1泊2日で遠足。
先生の普段着気になるなぁ
どんな感じなんだろう。
てかまず普段着なんか見れるのかな?
なにげ厳しそうだしなぁ。先生と会うって。
他の生徒にバレたりしそうだもんなぁ……
毎朝騒いでいる女子たちは
絶対先生の部屋行くだろうし……
やっぱ変なことは考えない方がいいかなぁ
そんなことをぼーっと考えていると
ケータイがヴーヴーと振動し
こっそり開くと
そう先生からLINEが来ていて
思わず?が浮かぶ
きっと送り間違えたのだろう
そう送ると
すぐ返事が返ってきて
素直に今の気持ちを送ってしまい
しまった。と思ったけど
とりあえずなんて返ってくるか
待ってみようと思い
そのままにしていると
すぐには返事が来なくなって
変なこと言っちゃったかなって
少し後悔していると
しばらくして
ケータイがヴーヴーと
ポケットの中で振動し
そう来ていて速攻スクショして
周りにバレぬよう
1人ニヤニヤして
喜びを噛みしめていた。
あまりもの興奮で手元が狂い
誤字ってしまったけど
すぐ既読がつき
思わず顔がまた緩み
幸せに浸って
授業所ではなくなってしまった。
でもとりあえず
またこれで返信したら
授業中だろって怒られてもいけないし
スタンプだけ送り返し、ポケットの中に
ケータイを閉まった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!