第2話

3
2026/02/27 08:00 更新
?
遊ぼーぜ?……こーう?
コウ
コウ
今行くー
コウ
コウ
お前はちょっと急ぎすぎだ
?
えー
?
お前がのろいんだろー?
穏やかだ
木漏れ日が揺れ、鳥が鳴く
川のせせらぎに耳を澄ませ、風が頬を撫でる

前にいた少女が後ろを歩く"コウ"と呼ばれた少年の腕を引く
少女は少女と呼ばれる年齢だが、どこか大人びていて、相手にそう感じさせない雰囲気を持つ。
少年は少年と呼ぶほど幼くは無いが、しかし青年といえるほど落ち着いた雰囲気を持っていなかった。
そんな、不思議な雰囲気を持つ二人が、遊んでいる

穏やかだった

…あの時までは。

色が変わる
視界が染まる
木の葉の緑が消える
鳥の青が崩れる
赤と黒に転がり落ちる
音が消える
ノイズが走る
川の音が歪む
風が勢いを増す
悲鳴が耳の奥をつく

全てが変わった
?
コウ?
?
なあ、どこだよ
?
返事ぐらいしろよ
?
なあ、コウ
?
約束、守ってくれるんだろ?
?
なあ、
手が動かない






少女が歩き出す
目的地を始めから知っているかのような足取りで






声が震える






少女が"それ"の近くに歩み寄る
自分が何をすべきか始めから分かっているかのような、緩慢な動きで






視界から赤以外の色が立ち去る





少女が"それ"を抱き上げる






ゆくっりと温もりが消えていく






?
居なくならないでくれよ
?
_____コウ


コウが、腕の中から少女に手を伸ばす


コウ
コウ
泣くなよ
コウ
コウ
…って、言うべきなんだろうな


コウが、少女の輪郭をなぞる

コウ
コウ
泣いてもいいんだぞ
コウ
コウ
何かあれば泣けばいい
コウ
コウ
俺じゃ、お前の感情を戻せなかった
?
そんなことねぇよ…
?
ちゃんと、笑えたから
?
ちゃんと、お前のお陰で、笑えたから
?
だから、そんな、最後みたいな顔、すんなよ



コウが、少女の頬に手を添える


コウ
コウ
お前はやっぱり、泣かねぇか
コウ
コウ
_____じゃあ、笑ってろ
コウ
コウ
最後まで
コウ
コウ
いつか、俺以外のやつが、お前を支えてくれるまで
コウ
コウ
それまで、ちゃんと、笑ってろ
?
分かったから、
?
そんな顔、すんなよぉ…



コウが微笑む


コウ
コウ
あぁ、そうだ
コウ
コウ
鞄の中にペンダント、入ってるから
コウ
コウ
みんなで選んだんだぜ?
コウ
コウ
お前の、________誕生日プレゼント



コウの瞳が揺れる


コウ
コウ
ごめんな、最悪の誕生日で
コウ
コウ
ちゃんと、祝ってやれなくて
?
謝んなくていいから
?
これでも、すげぇ、うれしいから
コウ
コウ
…そっか
コウ
コウ
良かった



コウの腕が緩やかに落ちる

コウ
コウ
その口調、直せよ?



コウ
コウ
……なんか、力入んねぇ
コウ
コウ
________おやすみ、××××
コウ
コウ
また、来世で________



コウの瞼がゆっくりおちる



?
……あぁ、また、来世で。
?
おやすみ、コウ
?
今度は約束、破んなよ




いつの間にか振り出した雨の中、××××は揺れる瞳で笑みを作った
無理やり口角を上げただけの、いびつな笑みを
体を起こす

ひどく、昔の夢を見た

この日にもらった祝福のろいを身に着けていれば、あいつにまた、会えるだろうか
俺には来世なんてもの、無いと分かっていて言った言葉が『また、来世で』。
俺が生きている間に、会えるだろうか

まあ、会えるか。



________俺は、『死』に一番近くて、最も遠い存在だから。




会えたら、また、あいつの隣で笑いたい



…は、我が儘か
あいつが、笑ってれば、それでいい





今度は、ちゃんと、笑って、幸せでいて欲しい





なあ、そう願うことぐらい、許されるだろ?










…本筋に入れない…
過去編が二回も…⁈
しかも両方とも重い…短い…文字ばっか…
次からはきちんと本筋です
が、頑張る…
唯しばらく魔法要素は無いかもしれない…










…べっ、別に? 気長に見てくれると嬉しいなんて、言ってないんだからね…///

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