第12話

"□□ □"について
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2018/12/30 07:55
とある家に、私は産まれた。



お父さんと、お母さんと、双子の妹が居る家に。



とても楽しい日々を過ごしていた。



誕生日には皆でお祝いをして、



お父さん達のお休みの時には、家族皆で出かけた。



お休みじゃない時も、私は寂しいとかは思わなかった。



双子の妹が一緒に遊んでくれたし、



いとこである男の子と、3人で色んなことをして遊ぶのは、



とても楽しかった。



けど......。





小学校に上がる前から、私には悩みがあった。



双子の妹やいとこよりも感情表現が苦手なことだった。



幼稚園の先生はなんとなく分かってくれたけど、



周りの子はなかなか分かってくれなくて、



そのうちに私以外の子は、友達を作っていった。



一人ぼっちのままの私をかまってくれたのは、



相変わらず、双子の妹といとこだった。



だけど、2人にもやっぱり"友"と呼べる存在が居て。



2人が羨ましかった。



疎ましかった。






私にも、2人のように"友"と呼べる存在が欲しかった。



その思いに最初に気づいてくれたのはいとこだった。



そして、ある時こう言った。













「僕は、ほんとは"いとこ"じゃないんだよ。」


「だから、せらと僕は"友達"だよ」














――そう言ってくれた君は、なんて言う名前だっけ?



その名前も思い出せないんじゃ、もう......。

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