鬼門side
「羽瑠 ちとせ」
私はこの名前で芸能活動、アンタと同じ子役をしていた。
特別売れてはいなかったけど、いつかトップ子役になれると信じていた。
だって、私は演技も上手くて可愛くて、でももっと上を目指してちゃんと努力もしていたから。
アンタは「天使ちゃん」とか、「国民的子役」とか言われてチヤホヤされていた。
私の方が演技上手いのに。
私の方が頑張っているのに。
私の方が可愛いのに。
私の方が、私の方が…!!
でも、アンタはどんどん売れていって、最年少記録を塗り替えていった。
だけどそんなことを言っても誰も信じてくれなくて、逆に私はだんだんみんなに避けられていった。
それで誰かが知ったのか、想像で言ったのか分からないけど、私はアンタにいじめられてなんかなくて、全部自作自演だって言われるようになった。
そのせいで私は事務所を退所。
人生をかけていた演技がなくなって、私のメンタルはボロボロだった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。