第10話

第八話 冥海のお姫様
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2025/11/05 05:04 更新
魔法局の前、あの人の姿を見ていつになく緊張する。
なんというか、私の柄じゃないな。
なんて我ながら思う。
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
カルド様、お待たせしてしまいましたか?
私の声で白髪が靡いで彼の糸目が私を向いた。

よくよく考えたらこれ見えてるんだろうか。
いや見えてるんだろうけども。
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
いえ、今来たところです。
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
それでは行きましょうか
エスコートされて、私はどこかへと歩き出した。
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
あのー
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
か、カルド様?
恐る恐る私は口を開いた。
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
ど、何処へ行かれるのでしょうか
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
昨日、海へ行きませんか?
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
と言いましたよ?
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
いや、あの
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
はい
神覚者様に反論しろと仰っているので御座いましょうか?

今エスコートをされていなかったら私はおそらく、しゃがみ込んで頭を抱えていたと思う。
いや、その自信がある。
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
言いたいことがあるなら遠慮なく言ってくださって構いませんよ
意を決して私は口を開いた。
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
どこの海に行くのでしょうか
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
すぐそこの浜辺ですよ
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
なんででしょう
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
知っていますか?
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
魔法局はエンペラー王朝の一つ前
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
ソルシエール王朝時代から存在する建物なんですよ
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
へ、へぇ
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
そうなんですね
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
シラナカッター
そもそも、それが今の話となんの関係があるのだろうか。
見えてきた浜辺には、どこか既視感があった。
ここは魔法局から少し入ったところにある海。
こんな場所絶対に入ったことないはずなのに。
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
ここは
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
あの人魚姫の舞台なんだそうですよ
人魚姫
その言葉に、心が揺られた。

海に揺られている様な不思議な気分。

なんで?どうして?そんな言葉が頭を駆け巡った。
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
貴方は覚えていますか?
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
何をですか?
溢れた声は震えていた。
カルド・ゲヘナ
カルド・ゲヘナ
貴方と私がここで出会ったことを。
いや、あの海で出会ったことを。
知らない。と言いたかった。

そんなこと記憶になかった。

なのに、その言葉だけは言いたくなかった。
嘘をついてしまうから。
そんな言葉が頭に浮かんでは消える。

何が嘘になるの?

私が思ったのは全部真実じゃない。
何が?
なんで?
この方はなんの話をしているの?







いや私は
この話を知っている。
(なまえ)・セイレーン
あなた・セイレーン
知っています

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